国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

賞金は課税対象? ノーベル賞、オリンピックメダリストの賞金から企業の報奨金まで

2015年は2人の日本人がノーベル賞を受賞しました。受賞者には1億円以上の賞金が支払われると言われていますが、世界的な名誉に輝いたその瞬間にも、収入には税金がかかるのでしょうか。
そうだとしたら、オリンピックのメダリストの賞金は?アカデミー賞は?グラミー賞は?そしてサラリーマンの会社からの報奨金は?名誉に輝いたその時、課税はされるのかどうか調べてみました。

受賞部門によって課税処置が異なるノーベル賞

ノーベル賞には、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6つの部門があります。このうち経済学以外の部門は課税対象外なので、つまり受賞者は税金を払う義務はありません。理由は、1949年に湯川秀樹氏が日本人で初めてノーベル賞を受賞した際に「賞金に課税をするのはいかがなものか」という議論が起き、結果として「ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品」(9条13項ホ)は非課税と定められたからです。経済学賞は1968年にスウェーデンの中央銀行の働きかけで設置された賞で上記の条文に当てはまらないため非課税対象にはならず、税金が徴収されることになっています。

ノーベル賞も、特許を譲渡して得た収入には税金がかかる

ノーベル賞受賞によって得た賞金には税金がかからなくても、研究によって得た利益には税金がかかります。

研究者が特許権や実施権を法人等に売り渡した場合は長期譲渡所得に、実施権のように発明の成果に応じて継続的に支払われる契約をした場合は雑所得となり、原則としてそれぞれ確定申告をしなければなりません。

また、研究機関は所属する従業員に対し、出願補償金、登録保証金、実施保証金、特別保証金を支払うと定めている場合があります。ひとつの発明のなかでも出願補償金は譲渡所得、それ以外は雑所得に分かれるなど、取り扱いは複雑です。

オリンピックのメダリストに授与される賞金はどうか

オリンピックのメダリストに対する賞金はどうでしょうか。JOC(財団法人日本オリンピック委員会)はメダリストに対し、金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円の賞金を授与しています。加えてメダリストは所属する企業や各競技連盟などの団体から賞金を受け取る場合があり、ときには総額1,000万円近くの“ご褒美”を得ることができます。

会社員の報奨金は課税? 非課税?

ただし“ご褒美”だからといって、すべてが課税を逃れるわけではありません。非課税と定められているのはJOCからの賞金と日本レスリング協会や日本卓球協会など一定の団体の賞金のみ。給料をもらっている所属企業から支給された報奨金はサラリーマンのボーナスと同じで源泉徴収の対象です。また、各競技団体からの賞金も非課税となるのは金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円までで、それ以上は一時所得として税金がかかります。

このときの課税額は、一時所得金額(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円))の2分の1に相当する金額を、給与所得などほかの所得と合計して総所得金額を求めて計算します。

アカデミー賞やグラミー賞は課税される?

冒頭で上げたアカデミー賞やグラミー賞は課税対象ではありません。この賞に賞金はつかず、受賞者がもらえるのは金メッキの塗られたトロフィーと名誉だけだからです。

 

いかがでしたか?世界的名誉に対しては比較的穏便な措置が取られていましたね。ちなみにノーベル賞受賞者は賞金を不動産に使うことが多いとか。各国の資産や税に関する法律が影響していそうですね。

 

参照
https://www.career-adv.jp/impressions/1549/
https://www.career-adv.jp/impressions/1470/

著者: REX編集部

レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者を始めとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/

ページ先頭へ