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創業(3年)で倒産しないために…!知っておきたい開業準備のオキテ ~数値の見方編【投資回収】~

飲食店は初期投資の金額がどうしても高くなってしまうため、その判断をできるだけ誤らないようにする必要があります。その際に役立つのが、「投資と回収」という考え方です。そこで、今回は「投資回収」の数値の見方について紹介します。

飲食店の店舗づくりには投資回収の考えが不可欠!?

都内で肉バルを開業しようとしているXさんは、現在、開業に向けて物件や内装工事業者を探しています。いろいろ物件を見ていく中で、家賃はいくらまでかけてよいのか、内装は居抜き物件、スケルトン物件のどちらの方がよいのか等、店舗づくりにいくらまで予算をかけてよいのかがわからず、悩んでいました。

飲食店は、物件取得、内装工事や厨房機器など初期投資の金額が少なとも1000万以上と高くなってしまうため、その判断をできるだけ誤らないようにする必要があります。当然のことながら、一度出店してしまうと後には引けないためです。その際に役立つのが、「投資と回収」という考え方です。物件取得、内装、厨房機器などの初期投資の総額(運転資金は含まない)を算定し、店舗運営の儲けにより何年で回収することができるのかを明確にします。初期投資の回収年数の目標を明確にすることで、その条件を満たす物件選定、内装の仕様と業者選定、厨房機器のリースの有無の判断など、バラツキやすい初期投資の判断を標準化することができ、判断ミスのリスクを減らせます。

目標の投資回収の年数内におさまっているかをチェックしよう

その後Xさんは、飲食店専門の税理士から、初期投資額を目標の投資回収年数内におさまる計画にすることが大事な旨を教えてもらいました。これにより、バラツキやすい初期投資の判断を標準化することができ、安心して物件、内装工事、厨房機器を選ぶことができるようになりました。

一般的な投資回収の算定方法としては、下記のように計算します。

投資回収年数 = ①初期投資額 ÷ ②回収金額(CF)

①初期投資額 = お店づくりに必要なお金の合計
= 物件取得費用 + 内装工事費用 + 厨房機器費用 + その他費用(加盟料等)

②回収金額(CF)= 一年間で得られるお金の合計
= 経常利益 + 減価償却費

投資回収年数の目安は、スケルトン物件の場合は3年、居抜き物件の場合は1年になります。特に開業時は初期投資額が高くなりがちなので、要注意です。

飲食店開業の基本は投資回収のコントロールから!飲食店の店舗づくりで失敗しないためにも、目標の投資回収の年数以内におさまるように初期投資の金額を設定することが大切です。

著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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