最近、大変有難いことに、セミナーの講演依頼をいただく機会が増えてきました。参加者が数名のものから100名超えのものまで、地域や年齢層によって雰囲気はさまざまです。でも、どんなセミナーでも、私はあまり緊張しません。それはなぜか? 今回は、セミナーで講演するときに心掛けていることなどについて、お話したいと思います。

ときどき、「人前で話すのって緊張しないの?」と聞かれることがありますが、私はあまり緊張しない方だと思います。もちろんはじめからそうだったわけではなく、勤務税理士だったころには、あるセミナーの司会を任されただけなのに、「顔がこわばっていたよ」と言われたこともありました……(笑)。

でも今は、100名を超える参加者のみなさまの前でお話しても、あまり緊張しません。「それはなぜだろう?」と考えてみると、「慣れてきたから」というより、「気付いたから」なのです。

「自分がどう思われるか? 自分をよく見せたい。よく思われたい」と考えない!
ということに。

そう、「自分が参加者にどう思われるか」を意識してしまうから緊張するのであって、「自分のため」ではなく「参加者のため」を意識して話せば、おのずと緊張がほぐれます。参加者は「脇田さんがどういう話し方をする人か」「きちんと話せるか」を見に来ているのではなく、話の内容を聴きに来ているだけなんです。そこから学べればいいのです。だから、「コンテンツの中身をしっかり作ること」「事前準備をしっかりすること」がとても大事で、セミナーの本番がうまくいくかどうかは、話し方ではなく、その前の準備の段階でほぼ決まっているのだと思います。

「完璧に話したい」「よどみなくスラスラと話したい」と、「自分が成功したい」という気持ちではなく、「相手のためにお話しよう」「しっかり伝わるように話そう」と思うと、自然と参加者の人数によって話し方も変わってきますし、参加者の反応によって言葉選びも変わってきます。決められた台本があるわけではなく、自分の知っている話を自分の言葉で伝えるのですから、「相手の方にわかっていただこう」と思えば、同じことについて2、3回言葉を変えてお話することもあります。「う~ん、どう表現すればよりわかりやすいかな?」と数秒、言葉に詰まることもあります。でも最近は、ちょっとくらい言葉に詰まっても全然焦らなくなりました。

普段誰かと話すとき、話しながら何か思い出すことや、関連することを追加で話したりしますよね。自分ではおもしろいなと思える表現をしたつもりでも、相手には全くウケないこともあります(笑)。でも、それでもいいのです。

 

セミナーなので、いつも通りの自然体でいられるわけではないのですが、ガチガチに決められたセリフを話すのではなく、「相手の役に立てるように」と、参加者の顔を見ながら話すようになってからは、緊張しなくなりました。大勢のセミナーでは、たまにスマホをいじっている方や寝ている方もいらっしゃいますが、「いやきっと、私が話した内容の何かをスマホで調べているのかもしれないし、目をつむって一生懸命聞いているだけかも」くらいに思って、聴いてくださってる方々に意識を向けます(笑)。実際、自分が聴きに行って「よいセミナーだったな、参加してよかったな」と思うセミナーは、講師がよどみなくスラスラ話せたかというよりも、内容がわかりやすかったセミナーです。もちろん、声が小さすぎないとか下ばかり向いて話さないなど、伝えるために必要な最低限の話し方はあると思いますが。逆に気合いが入りすぎて、参加者にグイグイ来る講師が私自身はあまり得意ではないので、いつも自然体で話せたらいいなーと思ってセミナーに臨んでいます。そして自然体で話すためには、あたり前ですが、事前準備が必要不可欠です。それはきれいなパワーポイントを何十枚もきちんと作り込むということではなくて、話したい内容を箇条書きでもいいからまとめておき、自分の言葉で話せるようにしておくということだと思います。事前準備をしっかりしたうえで、当日は、自分をよく見せようとするのではなく、相手のことを想って話す。これで緊張感がグッと薄らぐと思います。とはいえ、自分では「おもしろい」と思ったことが全然ウケなかったときには、話しながら少し焦りますけどね(笑)。

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