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増えるオンラインレンディング 資金調達の相談先は銀行マンから会計事務所が担う時代に

企業の成長支援を積極的に展開するG.S.ブレインズ税理士法人(東京・千代田区、代表=近藤浩三税理士)では、経営者の資金調達や財務改善ニーズに応えるため、金融サービスにも力を入れている。今回は、金融サービス部門を牽引する髙橋範氏と、高井基行氏に、資金調達支援のポイントや、最近増えてきたオンラインレンディングの活用について、宮口貴志編集長が話を聞いた。

写真=中小企業の経営支援で活躍する金融支援部門統括の髙橋マネージャー(左)、高井氏(中)、
経営管理部の志摩氏(右)

税務会計コンサルティング部 マネージャー 金融支援部門統括 髙橋範 氏
財務金融コンサルティング部 高井基行 氏


―顧問先の黒字化支援で実績がありますが。

髙橋 私どもは、顧問先が利益に伴った売上の増加を継続できるよう、成長支援サービスに力をいれています。たとえば、決算の着地が見えた段階で、その利益を来期に向けてどう成長投資させていくのか、決算の3ヵ月間ほど前から経営者と一緒になって考えます。それから、「顧問先を倒産させない」という、創業時からの経営理念も大切にしています。

―2019年10月1日からは、消費税率が10%に上がるほか、軽減税率制度もスタートします。どのように顧問先を指導されていますか。

髙橋 消費増税だけではなく、オリンピック後の景気落ち込みなどを見据えて、前もって対策をして動くようにアドバイスしています。

消費税に関していえば、商品購入者である消費者にとっては、2%の値上げに見えてしまう可能性が高い。そう見えないよう「商品やサービスの価値を高める努力が必要だ」と経営者に伝えています。

―税理士職業賠償責任保険(税賠保険)の事故事例を見ても、消費税は会計事務所のミスも多い税目です。

髙橋 会計事務所のミスとしては、消費税の届出関係の失念が多いのですが、関与先企業の経営全体を見ていくとそのリスクも軽減できます。事務所内の税理士などのメンバーとも協力しながら、総合的な経営支援に結びつけていきたいと考えています。

―消費税は「預かり金」とはいうものの、中小企業の場合、手元にあれば資金繰りに回してしまうことがよくありますから、いざ消費税の納税となったとき、手持ち資金がないということもありますよね。

髙橋 そうですね。だからこそ、キャッシュフローをしっかり管理していかなければ、会社自体の経営危機に陥る可能性が高まります。そういった意味でも、財務管理と経営支援は、これまで以上にニーズが高まると思います。

―ところで、貴事務所の特徴を教えてください。

髙橋 1994年8月に近藤浩三代表が税理士事務所を開業し、2009年1月に現在のG.S.ブレインズ税理士法人を設立しました。個人事務所時代から入れると25年になりますので、自然と顧問先は全国にまで広がっています。地方の顧問先の特徴としては、飲食関係が多く、北海道や九州にもいます。全体的には、サービス業が多く、製造業の顧問先はそれほど多くないと思います。年商規模で見てみると、大きいところも関与していますが、中心は2~3億円くらいだと思います。

 


資金調達に対する考え方


―中小企業の6~7割が赤字企業という統計もありますが、貴事務所は顧問先の黒字経営化支援で定評がありますね。経営支援のサポートでは資金繰りをはじめとした金融面での相談も少なくないと思いますが、どのようなサポートをしていますか。

高井 一般的なコンサルティング会社では、金融機関対応サービスの一環で、企業にお金を借りさせるだけ借りさせる傾向があります。お金が潤沢にあれば資金繰りの悩みがなくなる、と思っているのでしょう。しかし、業績が順調なときだからお金を借りられているのであって、業績が悪化したら、融資を受けることが難しくなり、返済においても支障が出てくる可能性が高いです。私どもでは、返済に関する相談で来られる方が多く、リスケのためのサポートをはじめ、返済に伴う財務改善支援などさせていただくことが多いです。

―返済に関する悩みについては、どのようにアドバイスされていますか。

高井 多くの企業は、利益が出ないと返済できないので、まず、利益に合わせた返済計画を一緒に考えます。利益と返済のバランスが崩れているときは、経営者と銀行に交渉に行き、借換やリスケの提案をさせていただきます。

―返済が困難なとき、金利も低い時代なので、新たな銀行に融資の依頼をしたほうがよいのでしょうか。それとも、まずは既存の借入先の銀行へ返済の軽減などを粘り強くしていくべきなのでしょうか。

高井 基本的には、返済額の軽減を図るべきです。今ある分を借り換えて期間を伸ばすか、当座貸し越しなどを導入して利払いのみにするなど返済額を下げることで利益水準に合わせるようにします。

―「返済額の軽減」ですと、返済期間が伸びるので、企業の格付けが下がってしまう懸念はありませんか。

高井 私の前職は銀行員で、長年、法人融資をしていました。同経験を活かし、格付が下がらないように銀行と協議し、組み立てをします。ポイントは、行員が上司などの内部を説得しやすいストーリーを的確に提案できるかどうかです。顧問先企業を支援していく立場として考えなくてはいけないのが、企業が金融機関とよい関係を続けられることです。その関係を壊さないようなストーリーを作ることが、われわれの大きな役割だと思っています。

―資金繰りに困っているとき将来のことも考えると、一つの金融機関から何度も借り入れするより、融資条件の良い新たな金融機関を探し、取引行を増やしていったほうが良いように感じられますが・・・。

高井 資金繰りに困っているときなら、すでに取引している銀行の中で、借入残高の多い銀行から相談を持ち掛けるのが筋だと考えます。目先のことだけでなく、将来的な経営を考えれば、既存の取引先行との関係を深めておくことが重要です。新規の取引行が増え過ぎても、融資審査のときなど、銀行からするとあまり良い印象は受けません。

―「金利の安い銀行から借りればいい」と考える人も少なくないと思いますが・・・。

高井 その低い金利がずっと続くかどうか分かりませんよね。いつも取引している銀行に相談して金利が下がれば、次回からはその下がった金利がベースになって融資が受けられます。銀行とは長いお付き合いをしていくことを考えれば、会計事務所としては、安易に金利が低いというだけで助言してはいけません。

 

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