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【企画特集】アーリーステージ・中小企業のための お金で得する経営術  第1回 会社にかかる税金と節税

会社を設立したら、早く事業を軌道に乗せるのがなにより大事だが、税金についても意識した経営をするべきだ。なぜなら、儲かっても利益の3割超を税金として納める必要があり、税金の知識があれば、ちょっとした工夫で劇的に税金を減らせることができるためだ。

会社にかかる税金がいくつあるか考えたことのある経営者は少ないだろう。国に納める税金として「法人税」「地方法人税」「地方法人特別税」、地方自治体に納める「法人事業税」「法人住民税(都道府県税)」「法人住民税(市町村税)」の6つある。消費税や源泉徴収税は、会社が間接的に課せられたもので、消費者や従業員に代わり会社が納税している。

それに、税金ではないが、第二の税金と言われる社会保険料、雇用保険などもあるので、会社経営で毎月支出するお金はかなりの額になる。会社設立間もない経営者なら、毎月かかるお金にビックリすることだろう。
利益の出ていない会社や赤字の会社でも、会社の規模に応じた均等割りとして「法人住民税(都道府県税)(市町村税)」を会社が存続している限り、最低でも7万円を納税する必要がある。
経営者は会社を設立する際に、こうしたことも念頭に置いておかなければならない。

ここに税額を列挙すると、

つまり、利益の3割前後、均等割りとして7~380万円の税金を納めなくてはならないのだ。

利益を上げるのに手っ取り早い節税

企業活動の中で、利益を順調に増やすことは並大抵のことでない。利益を10%増やすだけでも、今の経済状況ではかなり大変だ。

しかし、もし税金を納税しなくてもいいとなれば、利益率はかなり上がる。消費税が2019年10月から8%から10%に上がるときだからこそ、税金を意識した経営というのが大事になる。実際、利益を10%アップさせるより、節税により、10%支出を減らすほうが簡単かもしれない。
税金をまったく納めないのは、銀行や取引先などの印象もよくないし、企業人として如何なものかなと思うが、納めすぎもバカバカしい。経営者としては、思った通りの利益を出し、そこから「このぐらいの税金なら納めてもよい」と感じる額が一番良いと言える。

中小企業はお金を残しておくことが大事

多くの経営者は、決算期を終えると、税金の多さにビックリするが、この時点での節税はほぼ難しい。「節税」と「脱税」は全く違う。国も経営者に対して節税効果の高い制度をいくつも用意しているし、そうした制度をうまく活用していけば、思った以上に節税できるものなのだ。

現実問題として、中小企業はなるべくまとまったお金を経営者が握っておくことが大事だ。ファンドから多額の資金を呼び込めるなら状況は違うかもしれないが、中小企業の場合、銀行は簡単にお金を貸してくれない。日本政策投資銀行からの融資を受けることは銀行に比べるとハードルは低いが、会社経営の段階では急に現金が必要なることも少なくない。とくに業績が悪くなると、どこもお金を貸してくれなくなることを考えると、結局、経営者自身がお金を持っておく必要がある。
知っておいてほしいのが、中小企業経営者が蓄財をする際のポイントになるのが“税金”ということ。間違った節税をし、「脱税」で起訴されたら社会的信用を失う。「青汁王子」で有名だった若手経営者も、脱税でこれまで築いてきた会社も信用も失った。だから、効果的な節税策を経営者は知っておくべきなのだ。

経営者は現在の利益を把握しておく

効果的な節税をしようと思ったら、現在の会社の利益を把握しておくことが第一歩。経営者が期末後に税金の多さに驚いて無理な経理処理をすると、まず、税務署に課税漏れを指摘される。なぜなら、この段階でできる節税対策はほとんどなく、無理やり経費を作りこもうとすると常識的に考えて理屈が通らない処理になってしまうためだ。

多くの経営者を見てきて、共通しているのは、利益が出ていないときほど正確な数字をつかもうと努力するが、いざ、安心して経営ができる段階になると、数字の把握が大雑把になる。肝の銘じておきたいのは、利益がでていれば、それなりに税金がかかってくるということ。だからこそ、中小企業でも、半期に一度は仮決算をして、いくら利益が出ているのか経営者は把握していくべきだ。顧問税理士を付けている会社の中には、月次決算で正確な利益状況など把握し、無駄なお金が出ていかないようにコントロールしている。もし、かなりの利益が出そうなら、社員に還元することもできるほか、設備投資にお金を回せる。顧問税理士に対する費用は掛かるが、経営的視点から見たら安いものだ。

上手な経費に使い方が節税につながる

納税額を減らす方法は実にシンプルだ。会社の税金は、利益にかかってくるため、それを減らそうとすれば利益を減らすしかない。つまり、利益を減らすには、売上を減らすか、経費を増やすしかないのだ。

会社経営をしていて売上を減らすことは選択肢としてないはずだから、結局は経費をどれだけ有意義に使うかそれが重要になる。ただ、やみくもに経費で落とせるわけではない。税務署もそんなことはお見通しだ。また、無駄な経費を増やしても、こんどは会社の財務状況に影響してくる。これでは本末転倒だ。

経費の使い方として肝に銘じておくべきは、①会社に役に立つのか、②会社の資産になるのかーだ。

例えば、中小企業の場合、交際費として損金算入できるのは年間800万円までか、売上の半分まで。交際費枠を最大限に使ったとしても取引先が増えるとか、仕事を受注できるとか、何かしら効果がなければ会社にとって支出する意味がない。

また、会社資産になるからと言っても、社長が趣味で豪華な時計などを購入しても、趣味の世界なら税務署に否認される。

一方で、戦略的に社用車として中古車を買ったとしたら、経営者にとっては経費で、資産形成できたことになる。とくに、中古車は耐用年数が短いので、会社は大きな経費を計上することができ、節税できる。

こうした、「会社の成長にとって必要な経費なのか」をポイントに、どう経費を使っていくのか、節税について考えていくことが必要なってくる。

次回以降、具体的な節税について紹介していく。

【この特集は  ALTOA(アルトア)とKaikeiZineの共同企画です】

著者: KaikeiZine編集部

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