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【シリーズ中小企業の資金調達②】 地方銀行もオンラインレンディングで勝ち残り 融資サポートできる税理士が不可欠に

第1回では、銀行融資とは異なる新たな融資「オンラインレンディング」について紹介した。日本ではまだはじまったばかりで、定着には時間がかかりそうだが、海外ではすでに一般化し、融資の世界に大きな変革をもたらしている。今回は、日本国内の融資サービスの現状や将来の展望について迫った。

日本におけるオンラインレンディングは、2018年11月30日に犯罪収益移転防止法施行規則が改正され、非対面での本人確認がネット上で可能になったことが大きな一歩と言える。

従来は、オンラインレンディングでのKYC(Know Your Customer)と呼ばれる顧客確認は、マネーロンダリング等の犯罪を防ぐ目的で施行された犯罪収益移転防止法により、本人確認や取引目的の確認が金融機関に義務付けられていたことから、オンラインレンディングにおいても、同様の確認方法が求められてきた。つまり、オンラインレンディングは、パソコン画面上で簡単に融資申込ができる一方で、実際の融資では非対面取引が前提となり、本人確認においては郵送での書類のやり取りなど、非常に多くの手間と日数がかかっていたのだ。その結果、ユーザーの利用意欲が薄くなり、離脱してしまうケースが多かった。

しかし、このKYCの壁がなくなり、2019年はオンラインレンディングにける新たな一歩を踏み出した。

ところが、日本は海外に比べ、銀行の融資サービスが整っている。メガバンクだけでなく、地方銀行や信用金庫、JAなど、地域に根ざした中小事業者向けの融資サービスが充実してため、海外のように新たなプレイヤーが入り込む余地はほとんどないのが現状だ。

中小企業の参謀役である税理士の多くも、顧問先からの融資相談となれば、メーンバンクの地銀や信用金庫などを前提にアドバイスをし、状況によってはオンラインレンディングなどの新しい融資システムの方がベターな選択になるにも関わらず、オンラインレンディングを提案することはほとんどない。

それでは、銀行の融資サービスが行き届いた日本で、オンラインレンディングは海外のように一般化していくのであろうか。実は、オンラインレンディングだからこそ入り込める市場がある。

日本国内の融資を取り巻く環境を語る上でのターニングポイントは2007年の貸金業法の改正。当時は、貸金業者が多数存在し、多重債務に苦しむ人が多くいたほか、債権回収が強引だったことから、悪質業者の取り立てが社会問題化した。この状況を改善するため改正貸金業法が施行され、上限金利の引き下げや貸し付けの際の規制が強化された。

この改正の影響で、2007年に約1万2千社存在した貸金業社は、2017年には約1900社にまで減少。悪質業者が排除された形になり市場は浄化された。

ところが一方で、これ以降、個人・法人を問わず、融資額自体の減少が続く現象が起きている。つまり、中小企業の場合であれば、従来、消費者ローンや商工ローンがカバーしていた短期・少額融資を借りられる場がなくなっていると考えられ、この空白部分を埋める時代に合った融資サービスの一つが「オンラインレンディング」と期待されているのだ。

オンラインレンディングと地方銀行との連携

オンラインレンディングの将来性を考えたとき、低金利時代の地方銀行の新たなサービスと期待する声は少なくない。長引くゼロ金利政策の影響に加え、金融機関における金利競争を受けて、地方銀行は勝ち残りをかけた戦いの真っ最中だ。利益を出していくために、リストラなどさまざまな方策を打っているが、一方で地方銀行にとって融資は、地域経済を発展させる存在意義そのものと考えられている。そのため、利益が出ないからといってなくすわけにはいかない。

そのため、コストをかけず融資ができるオンラインレンディングは、地方銀行の経営に一縷の光となりうる可能性が高いのだ。海外の例では、銀行とオンラインレンディングのスタートアップが提携し、協業しながら互いに発展している。

地銀との連携は、税理士にとっても税理士業界を勝ち残っていくために重要なポイント。その意味でも、地方銀行がどのような戦略で中小企業と関わっていこうとしているのか知っておく必要がある。

税理士は中小企業の参謀役とよく言われえるが、企業にとって血液ともいえる「お金」の周りのサポートは、時代を超えたニーズがある。ただ、平均年齢が60歳を超えた税理士業界において、ITにアレルギーを持つ税理士は少なくない。ITなどの新たな技術の活用は、会計事務所業務の効率化だけでなく、顧問先企業にとっても危急な課題だ。オンラインレンディングは他人事ではなく、顧問先サービスの一つとして、正しくアドバイスできるように知識などは付けておきたい。

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Presented by アルトア株式会社
<概要>
アルトア株式会社(東京・千代田区、代表取締役=岡本浩一郎)
『弥生会計』の弥生株式会社の子会社。
「アルトア オンライン融資サービス【ALTOA】」を提供。会計データとAIを活用した新たな与信モデルを開発し、インターネットを通じて小規模事業者向けに、簡単手続き、保証人・担保なし、早期融資のサービスを提供する。
https://www.altoa.jp/

 

著者: KaikeiZine編集部

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