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【企画特集】アーリーステージ・中小企業のためのお金で得する経営術  第7回 飲食業以外でも消費税の軽減税率が影響

2019年10月から消費税率が10%になり、合わせて8%の軽減税率制度がスタートした。多くの中小企業経営者は「うちは飲食業でないから、経理処理において軽減税率の影響はない」というが、飲食業以外でも、実は経理処理において複数税率を意識する場面が少なくない。一体、どういったシーンにおいて影響してくるのだろうか。

消費税率が8%から10%になろうが、軽減税率制度が導入されようが、原則として消費税の計算方法に変更はない。ただ、「仕入税額控除」を活用する場合、10%の標準税率と8%の軽減税率のそれぞれで割戻して計算を行い、消費税額を合算して納付税額を算出しなければならなくなった。そのため、「うちは飲食業でないから、経理処理において軽減税率の影響はない」と言っている企業も、消費税処理については十分に注意する必要がある。

消費税額を算出するとき、企業は「売上の消費税額」から「仕入れの消費税額」を差し引いて計算する。これを「仕入税額控除」というが、消費税は、消費者が負担し、事業者が納付する制度設計になっていることから、最終的な商品が完成・販売されるまでに、商品によっては段階ごとに消費税が発生する。つまり、前段階の事業者が納付するべき消費税を確実に把握・転嫁しなければ、正確な納税額が算出できないわけだ。

仕入税額控除の対象となる仕入れは、

  1.  商品や原材料などの購入
  2. 機械や建物、車両、備品等の固定資産の購入
  3. 広告宣伝費、福利厚生費、交際費、通信費、水道光熱費などの支払い
  4. 事務用品、消耗品、新聞図書などの購入
  5. 修繕費や外注費の支払い
  6. リース料などの支払い

などが入る。

一方で、「非課税仕入れ」や「不課税取引」は仕入税額控除の対象外だ。

仕入税額控除の適用を受ける条件として、仕入れの明細を記録した「帳簿」と、仕入れの際に交付された「請求書等」を原則7年間保存する必要がある。

帳簿の記載内容は、取引を行った年月日、内容、金額、相手方の氏名または名称。ただし、その仕入れの税込価格の合計が3万円未満の場合は帳簿のみの保存で良い。

仕入税額控除の10%と8%に注意

飲食店以外の企業においても、8%の軽減税率が適用される日常的な取引が少なからずある。たとえば「会議費」。会議の際に提供される酒類を除く飲食料品については、軽減税率が適用される。会議出席者に提供される飲食物をコーヒーショップから取り寄せることが多いが、取り寄せたこれら飲食物は軽減税率が適用される。(ホテルや飲食店内での会議については10%の標準税率となる)

このほか、「接待交際費」も軽減税率の対象になるが、接待交際費の場合、得意先の飲食品の贈答がこれに該当する。ホテルや居酒屋などでの飲食店内での飲食は、10%の標準税率の適用だ。

慶弔関連費用については、そもそも課税仕入れには該当しないため、消費税の納税額の計算には含めない。ただし、食品などの供物の現物購入は、軽減税率の適用対象となるため注意が必要だ。

一つのプロジェクト区切りで打ち上げパーティーなどをするケースも少なくないが、この場合、飲食料品の購入部分には軽減税率が適用される。ただし、ビールやワインなどの酒類については10%課税なので、経理処理においては細かく記載しておく必要がある。

このほか、社員旅行なの福利厚生費にも注意が必要だ。バス旅行などの社内で提供されるお茶やコーヒーなどの飲料は8%の軽減税率が適用されるが、酒類は10%の標準課税が適用される。

説明してきた通り、飲食業以外でも、これだけ標準税率と軽減税率が入り乱れている。課税当局においては、しばらくは消費税ミスが少なくないと見ており、チェック体制を強化している。誤った処理をしないためにも、標準税率か軽減税率の対応になるのか、自動的には判断してくれる会計ソフトなどを活用することがミス軽減につながる。

 

 

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アルトア株式会社(東京・千代田区、代表取締役=岡本浩一郎)
『弥生会計』の弥生株式会社の子会社。
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著者: KaikeiZine編集部

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