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飲食店の成長を加速するために知っておきたい財務のオキテ ~金融機関の選び方①~

飲食店の成長にとって金融機関は重要なパートナーであり、どの金融機関と付き合うかによって成長スピードが大きく変わってきます。そこで、今回は「金融機関の選び方」について紹介します。

付き合う金融機関を選ぶポイントは!?

都内のオフィス街で居酒屋を1店舗経営しているcさんは、現在、個人の生活用で利用しているメガバンクのみを事業でも利用しています。最近、知人の飲食店経営者から信用金庫と付き合った方がよいとアドバイスを受けましたが、その理由がイマイチよく分からず困っていました。

金融機関と一言にいっても様々な形態に分かれています。大きくは普通金融機関(メガバンク、地方金融機関など)、協同組織金融機関(信用金庫、信用組合など)、政府系金融機関(日本政策金融公庫など)に分かれており、全国でも500行以上の金融機関があります。(農業協同組合、証券会社、保険会社を除く)。

個人店の飲食店経営者に「どの金融機関と付き合っていますか?」という質問をすると、下記のような理由から「メガバンクのみを使っている」という回答が圧倒的に多いです。

●  個人の生活用通帳のうち余っていたメガバンクの通帳を事業用として使っているので・・・
●  メガバンクは規模や知名度が大きく、安心だから・・・
●  ATMが多く、お店や自宅の近くにあるので、便利だから・・・

金融機関を選ぶ基準を明確にし、金融機関ごとの特徴を把握しよう!

その後cさんは、飲食店専門の税理士に相談し、金融機関を選ぶ際には、利便性だけでなく、資金調達の視点が重要である旨を教えてもらいました。金融機関の種類ごとの強みと弱みを把握することで、自身に合う金融機関が分かるようになり、メイン銀行をメガバンクから信用金庫へ変更しました。早い段階で信用金庫と付き合うことで、2店舗目の出店の際に信用金庫から融資をスムーズに受けられることができました。

飲食店が最初に金融機関と付き合うタイミングは創業融資ですが、飲食店の創業融資では日本政策金融公庫を利用することがほとんどです。日本政策金融公庫から融資を受ける際には、新規に通帳を作る必要はありません(日本政策金融公庫では通帳は作れません)。そのため生活用として使っていた通帳のうち、余っていた通帳を事業用として使うケースが多いです。それにメガバンクはATMが多く利便性が高いので、事業用通帳として選ばれやすいです。

確かに、メガバンクは規模や知名度が大きく、利便性も高いです。ただ資金調達の観点からはいかがでしょうか。100店舗を超えるような飲食店企業であれば、メガバンクからの資金調達はもちろん可能ですが、1店舗の場合は、メガバンクからプロパー融資(信用保証協会の保証なしの融資)での資金調達の可能性は限りなく低いでしょう。付き合う金融機関を選ぶ際には、これから多店舗展開を目指す際に力を貸してくれるか否かを基準とすべきです。金融機関と一言にいっても様々な形態に分かれており、その種類によって強みと弱みがありますので、自社の状況に合わせ、どの金融機関と付き合うことがベストなのか選ぶことが大切です。

<金融機関の種類と特徴>

飲食店の財務戦略の基本は金融機関選びから!金融機関の強み・弱みを把握し、自社の状況に合わせて適切な金融機関を選びましょう。

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著者: 水野剛志

Credo税理士法人代表/税理士・経営コンサルタント

富山県出身で醤油屋の次男として誕生。慶應義塾大学商学部卒業後、税理士法人山田&パートナーズ、アビームコンサルティング(株)、OAG税理士法人/㈱OAGコンサルティングを経てCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に開業支援や多店舗展開支援を年間50件以上実施するなど、財務戦略に基づいた飲食店の繁盛店の仕組みづくりに強みを持つ。
■Credo税理士法人
http://credo-tax.com

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