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【企画特集】アーリーステージ・中小企業のためのお金で得する経営術  第10回 社長の老後資金の積立に「つみたてNISA」の活用

税制上の優遇措置が使え、一人社長や個人事業主の老後の生活費の積立のために役立つのが「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」だ。投資による値上がり益や配当金・分配金にかかる税金が非課税になり、その非課税期間も20年と長く、積立に適している。メリットだけでなくデメリットがあるが、第9回で紹介した小規模事業共済とともに検討したい商品だ。

つみたてNISAは、2018年1月から2037年までの期間限定でスタートした制度。日本に住む20歳以上なら誰でも利用することができる。毎年40万円を上限として、金融庁が定めた、一定の投資信託を積み立てた場合、20年間、投資信託の分配金や売却益が非課税になる。非課税で保有できる投資総額は最大800万円だ。

基本的には投資信託の分配金や売却益には、通常20.315%の税金(所得税+住民税+復興特別所得税)がかかる。しかし、つみたてNISAなら、2018年から毎年40万円を積立てた場合、2037年まで非課税となり、利益が出た20.315%分の節税効果が期待できる。

つまり、40万円が20年後に70万円になっていたとしたら、「(70万円-40万円)×20.315%=6万450円」の節税効果があるわけだ。

そして、つみたてNISAの対象商品は、手数料が低水準であり、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されている。投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みになっている。

毎月同じ日に投資することはデメリットにも

ただ一方で、つみたてNISAは投資信託を購入して運用していくため、安かろうが高かろうが毎月決まった日に投資商品を買う。投資で儲けるためには、安い時に買って高く売ることが基本。それを無視して高くても安くても構わず買っていくため、投資商品の買い方としては合理的ではない。つみたてNISAの投資商品は、金融庁が一定の基準を設けているものの、確実に損をしない保証はないわけだ。メリットだけでなく、こうしたデメリットも理解して利用することが不可欠だ。

このほか、つみたてNISAの特徴としては、金融機関の口座は1口座のみとされていることから、すでに一般NISAで口座を開設している場合は、つみたてNISAか一般NISA口座のどちらか一方を選択する必要が出てくる。NISAと一般NISAの変更は年単位でできるが、原則、変更しようとする年の前年の10月から12月の間に、金融機関で変更手続きを完了しておく必要がある。

金融機関の変更は可能で、変更しようとする年の9月末までに、金融機関で変更の手続きを完了しておけばOK。金融機関の変更をした場合、変更前の金融機関のNISA口座では、追加の金融商品の購入ができない。また、その年にすでにNISA口座内で金融商品の購入をしていた場合には、変更できるのは翌年の投資分からとなる。

「一般NISA」と「つみたてNISA」の違い

さて、一般NISAとつみたてNISAの違いだが、投資によって得られた利益が非課税になるというメリットは同じ。ただし、その他の細かいルールが少しずつ異なる。

一般NISAは、2014年から2023年までの10年間で、新規投資した年から投資した年から最長5年間(ロールオーバーを利用して最大10年間)が非課税。年間の投資上限は120万円となっており、非課税で保有できる投資総額は最大600万円となっている。

投資対象商品は、上場株式(ETF、REIT含む)や投資信託で、投資方法は一括買付または積立がある。この点、つみたてNISAが投資対象商品として「金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETF」であり、投資方法が「定期かつ継続的方法による積立のみ」という点で異なる。資産の引き出しはいつでも可能であり、損益通算、繰越控除ができない点、金融機関の変更が可能ということは一般NISAもつみたてNISAも同じだ。

資産運用益が非課税となり、投資家にとって魅力的なつみたてNISAだが、損失発生時の投資家の負担が大きいことや、配当金の受取方法を設定しておく必要があるなど、事前に知らないと非課税メリットを享受することができない落とし穴も潜んでいる。つみたてNISA利用する前には、きちんと確認して資産運用を行っていきたいところだ。

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<概要>
アルトア株式会社(東京・千代田区、代表取締役=岡本浩一郎)
『弥生会計』の弥生株式会社の子会社。
「アルトア オンライン融資サービス【ALTOA】」を提供。会計データとAIを活用した新たな与信モデルを開発し、インターネットを通じて小規模事業者向けに、簡単手続き、保証人・担保なし、早期融資のサービスを提供する。
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著者: KaikeiZine編集部

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