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ベンチャーキャピタルで働く公認会計士のとある1日

こんにちは。ベンチャーキャピタルで働く公認会計士の玉木です。最近Googleが開発した囲碁AI「AlphaGo」に触発されて囲碁をはじめてみましたが、一向に上達せずiPhoneアプリの初級モードに負ける毎日です。囲碁難しいですね。さらにハマってしまいそうです。

さて前回に引き続き、今回は私の日常的な業務を例に、より具体的なVCの仕事をご紹介していきます。

日常的な業務とは言ったものの、少なくとも私の場合は「これが典型的な1日」と言えるようなことはほとんどなく、毎日が流動的になりがちだったりします。今回はあくまで一例として「VCってこんなふうに仕事してるんだ」とイメージを持っていただけると嬉しいです。

【9:00 a.m.】1日の始まりは朝会&掃除から

意外に思われるかもしれませんが、私が所属するサムライインキュベートでは毎朝9時にオフィスで朝会をして1日が始まります。監査法人時代は基本的に現場に直行して朝の時間もチームによってまちまちだったりしたので、VCという比較的フランクな雰囲気の業種の割にしっかりしているところはしっかりしているというのが最初の印象でした。

朝会が終わったあとは10分〜15分程度、オフィスの掃除をします(これもまた意外!)。うちの場合は会社のオフィスとコワーキングスペースが併設されているので、スペース自体の維持・管理・運営ももちろん仕事のうち、というわけです。
ここまで終えてようやく、パソコンを開いてメールチェックなどそれぞれの業務に移っていきます。

【10:00 a.m.】投資チームmtg

基本的に毎週、投資審査の判断をするミーティングを開催しています。お問い合わせ頂いた起業家の方のプレゼンや面談の結果を受けて、次のステップに進んでもらうか、はたまた投資決定をするか等々、チームメンバー内で議論し意思決定を行います。審査というと大げさな気がしますが、それぞれオープンに言いたいことを言い合って、意思決定のために不明点をクリアにしていくような時間です。

【0:00 p.m.】ランチタイム

オフィスのある天王洲アイルには「T.Y.HARBOR」というおしゃれな超人気レストランがあるのですが、そこへ行くのは外部の方とのランチmtgの時くらいのみ… 。大体は近場かコンビニでさっと済ませています。土地柄的にレパートリーが限られているので大戸屋でも出店してくれないかなあというのが最近の小さな願いです(笑)

【2:00 p.m.】投資先との事業戦略mtg

VCの中でも当社は創業期の企業に特化したVCなので、投資後の事業立ち上げの時期は、毎週のように起業家の方と戦略mtgを行っています。サービス開発やKPIの進捗管理、営業戦略策定、人材採用、次の資金調達の計画等々、初期は数人のチームの限られた人数で多岐に渡る物事を平行して進めて事業を形作っていく必要があるため、どのタイミングで何に注力すべきか、どういった方法が最適なのかなど、状況に合わせて都度対応していくために、週次の短いスパンでPDCAを回していくことがとても重要になります。この時期のベンチャーは不確定要素が多く、しんどい時期ではある一方、とても刺激的。ここに立ち会えるのが、この仕事だからこその醍醐味でもあります。

【5:00 p.m.】ドキュメントワークを一気に

ひたすらパソコンと向き合う時間も

ミーティングなど、人と会う業務がある一方で、ひたすらパソコンの画面や書類と向き合う時間も結構あります。投資先から依頼された契約書のチェックや、策定中の財務計画のフィードバック、VCファンドのコントローラー業務などを黙々とこなす仕事がそれです。こういったバックオフィス的な業務は、会計や財務、法務の専門性や経験を生かせるため、公認会計士ならではの強みになる部分でもあります。

【7:00 p.m.】ピッチイベント

当社では月に1回、投資希望のお問い合わせを頂いた起業家の方に、ご自身の事業プランをプレゼンしてもらうピッチイベントを開催しています。だいたい毎月10社前後の方のプレゼンをお聞きするのですが、IT・インターネット関連の事業という条件を設けていても、毎回、とてもバラエティ豊かな分野の事業プランをお持ちの方がいらっしゃいます。起業家の方々とガチで向き合うこのイベントは、私達の方もとても勉強になる貴重な機会でもあります。

また、ピッチイベントの後には毎回、食事やドリンクを用意して懇親会の時間を設けています。ここは、参加者の方々から私達VC側への質問をしてもらったり、参加者同士での繋がりを作ってもらったりと、フランクな雰囲気でネットワーキングができる場にもなっています。

【10:00 p.m.】後片付け&最後の一仕事

懇親会後の会場の片付けやゴミの回収などをした後、メールの返信など、その日に積み残した細かいタスクを片付けて帰路につきます。ちなみに夜にイベントがある日は必然的に帰る時間が遅くなりますが、そうでない日は自分の仕事の調整次第で早く帰ることも可能ですし、場合によってはエンドレス…ということも無きにしもあらずです。この辺りはVCだから忙しいとか、ワークライフバランスが取れているとかは一概に言うことはできないのかなと思います。自律性の求められる職種ではあるので、働き方は個人の裁量による部分が大きいというのが印象です。

いかがでしたでしょうか。実際の日々の仕事はこの紙面では書き切れないくらい本当に多岐にわたるのですが、「なんか色々やってるんだなあ」ということだけでも実感していただければ幸いです!

■聞き手
株式会社レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士の転職エージェント
https://www.career-adv.jp/

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著者: 玉木諒

株式会社サムライインキュベート 財務責任者/公認会計士

ベンチャーキャピタル・サムライインキュベートで働く公認会計士。PwCあらた監査法人で国内・海外の上場企業の監査業務を経たのち、事業再生コンサルティング業務、M&Aアドバイザリー業務などに従事、その後2013年に財務責任者としてサムライインキュベートに参画。主に投資先企業の財務管理、資金調達などCFO業務を担当している。京都大学社会学学士。

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