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【企画特集】アーリーステージ・中小企業のためのお金で得する経営術  第11回 新型コロナウイルスで活用したい小規模事業主向け融資

政府は3月7日、新型コロナウイルスの影響で経営に支障が出ている企業に対して、日本政策金融公庫などで特別貸付制度を創設し、売り上げが急減した中小・小規模事業者に実質無利子・無担保の融資を行うと表明した。そこで、現在、中小企業の支援対策として創設されている、新型コロナウイルス対応緊急融資制度についてまとめた。

日本政策金融公庫では、今回の新型コロナウイルス感染症対策として、いくつかの事業融資を実施している。融資は「国民生活事業」「中小企業事業」に分類され、まずはその違いについて紹介する。

「国民生活事業」

  • ・小規模事業者及び創業間もない事業者、個人事業者、個人の教育資金。
  • ・主に無担保での融資を実施し、約8割が無担保融資、約3割が無担保無保証での融資を実施。
  • ・融資期間は5~10年

「中小企業事業」

  • ・中小企業基本法に定められた「中小企業」にあたる業者が融資の対象。
  • ・融資額は、国民生活事業よりも大きいが、原則的に借り入れに担保が必要で審査は厳しい。
  • ・20年という超長期借入が可能。

アーリーステージの企業が融資を考えるなら、まずは国民生活事業に相談したほうが良い。基本的に民間の金融機関では敬遠されがちな小規模企業を中心に融資している。

<新型コロナウイルス感染症特別貸付>

新型コロナウイルス感染症の影響で、一時的に業況悪化しているものの、中長期的には業況が回復・発展が見込まれる中小企業者に対して、設備資金および長期運転資金を融資するもの。

・国民生活事業(融資限度額:6千万円、無担保)

  • 1、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少。
  • 2、業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少
  •  (1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高
  •  (2)令和元年12月の売上高
  •  (3)令和元年10月から12月の平均売上高

融資の利率は、基本手金は基準金利だが、3千万円を限度として融資後3年目までは、基準利率よりマイナス0.9%、4年目以降は基準利率となる。ただし、一部の対象者については、基準利率より「マイナス0.9%」の部分に対して別途決定される実施機関から利子補給され、当初3年間は実質無利子となる予定。返済期間は、設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内)となっている。

・中小企業事業(融資限度額:3億円、無担保)

貸付条件は、

  • 1、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年同期に比し5%以上減少していることまたはこれと同様の状況にあること。
  • 2、長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること。

利率は、基準金利だが1億円を限度として融資後3年目までは基準利率からマイナス0.9%で、4年目以降を基準利率となっている。ただし、3年目までの部分に関しては、特別利子補給制度が設けられ、次の何れかの事業者に関しては実質無償となる。

*<重要>特別利子補給制度(無償化制度)について

一定の要件に該当する場合、当初3年間、3千万円を限度(国民生活事業。中小企業事業においては1億円)として、 災害発生時の融資制度に適用される利率から 0.9 %低減した利率 が適用される。融資後は、利息も含め公庫に返済するものの、後日、低減した利率の利息部分は返却する。いわゆる「利子補給の制度 (特別利子補給制度)」が適用されことから、当初3年間は実質的に無利子で融資を受けられることになる。

適用対象は、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により借入を行った中小企業者のうち、以下の要件を満たす者。

  1. 個人事業主(事業性のあるフリーランス含み、小規模に限る):要件ナシ
  2. 小規模事業者(法人事業者)売上高15%減少
  3. 中小企業者(①②を除く事業者)売上高20%減少

小規模事業者の要件としては、製造業、建設業、その他業種は従業員20名以下。卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下。

なお、利子補給制度は、令和2年1月29日以降に日本政策金融金庫等の「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」等経由で借入を行った方については、前述の特別貸付の遡及適用を受け、①~③の要件満たす場合には、遡及適用が可能になる。

<マル経融資(小規模事業者経営改善資金)の拡充>

商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人でご利用できる制度。基本的に、運転資金と設備投資に活用できる。

拡充部分については、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた小規模事業者は、最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少していることが条件。また、商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けており、商工会議所等の長の推薦が必要。

融資限度額:2千万円 拡充部分は1千万円。

マル経融資のベース部分は、借入期間(カッコ内は据置期間)は、運転資金の場合、7年以内(1年以内)、設備投資なら10年以内(2年以内)となっている。拡充部分(カッコ内は据置期間)は、設備投資10年以内(4年以内)、運転資金は7年以内(3年以内)となっている。利率は、ベース部分は特別金利F(令和2年3月2日現在、年利1.21%)で、別枠の拡充部分は、当初3年は特別金利Fマイナス0.9%、3年経過後は特別金利Fとなっている。

<衛生新型激変対策特別貸付>

新型コロナウイルス感染症の影響により、経営が悪化している飲食店営業、喫茶店営業及び旅館業へ融資を実施。日本政策金融公庫におけるセーフティネット貸付に加え、令和2年2月21日より「衛生環境激変対策特別貸付制度」を実施。

  • ・貸付対象者:新型コロナウイルス感染症により影響を受けた飲食店営業者、喫茶店営業者及び旅館業を営む者
  • ・資金使途:経営を安定させるために必要な運転資金
  • ・貸付限度額:飲食店営業及び喫茶店営業は別枠1千万円、旅館業は別枠3千万円
  • ・貸付期間:7年以内
  • ・据置期間:2年以内
  • ・貸付利率:基準利率(ただし、振興計画に基づく事業を実施している者については、基準利率マイナス0.9%)
  • ・取扱期間:令和2年2月21日から令和2年8月31日まで

<セーフティネット貸付【公庫】>

社会的、経済環境の変化などの外的要因により、一時的に売上の減少など業績が悪化しているが、中期的には行政機回復が見込まれる中小企業に融資する制度。今回の新型コロナウイルス感染症についても外的要因に含まれる。2月14日より、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置として、セーフティネット貸付の要件を緩和。「売上高が5%以上減少」といった数値的要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象になった。

  • ・貸付限度額:国民生活事業が4800万円
  • ・中小企業事業:7億2千万円
  • ・貸付期間:設備投資15年以内、運転資金8年以内
  • ・据置期間:3年以内
  • ・金利:基準金利だが、貸付期間や担保の有無で変動

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<概要>
アルトア株式会社(東京・千代田区、代表取締役=岡本浩一郎)
『弥生会計』の弥生株式会社の子会社。
「アルトア オンライン融資サービス【ALTOA】」を提供。会計データとAIを活用した新たな与信モデルを開発し、インターネットを通じて小規模事業者向けに、簡単手続き、保証人・担保なし、早期融資のサービスを提供する。
https://www.altoa.jp/

 


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