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KaikeiZine×みらいコンサルティング【カレッジコラム】「顧問先の経営課題は何か、あなたは自信を持って言えますか?」

「コロナ禍の影響がない会社はない」。特に中小企業の経営者は本当に大変な状況の中、日々事業に邁進されていることと思います。その中で、会計事務所で働く方の中には顧問料の相談を受けたり、経営者の方々から苦悩をお聞きする機会も多いかと思います。あなたは、経営者と話をするときにどのようなことを意識しているでしょうか? 今回のコラムでは課題解決の方向性を間違えないための、言葉の”識別力”についてお伝えします。

改めて、あなたは経営者と話をするときにどのようなことを意識しているでしょうか?

「言葉の選び方」
「声のトーン」
「身振り手振りのジェスチャー」

さまざまなことに気を配っていると思います。

これらは円滑なコミュニケーションを取るために重要なことですが、経営者の発言を「どのように識別するか」が課題解決のためにとても重要となります。

 

社長が「売上がとても下がった」と発言したとします。

この言葉を聞いたときに、あなたはどう思われるでしょうか。

 

「それは大変ですね!」「今期は赤字ですか?」「資金繰りは大丈夫ですか?」

 

このような言葉が自然とでてくるかもしれません。

 

この発言を真に受け、様々な手を打った後で、いざ数字を確認すると「前年と同様の売上」だったら、どうでしょうか?

恐らく、取るべき「打ち手」はかわっていたことでしょう。

 

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?

 

これは「言葉の識別」が出来ていないことが原因です。

ここでは、「言葉の識別方法」をお伝えいたします。

 

会話の中から見つけよう!

a. “思い込みベース”の会話

 

ある経営者と担当者の会話を見ていきましょう。(フィクションです)

まずは、言葉を識別しなかった場合の会話を聞いてみましょう。

経営者:なかなか売上があがらなくて困っているんだよ。

担当者:そうなんですか。

経営者:うちの温泉は繁華街から遠いから、なかなか来てもらえないんだよ。

担当者:では繁華街から直接来てもらえるように、送迎バスを導入してはどうですか?

経営者:そうだな、試してみる価値はあるね。でも送迎バスはコストがかかりすぎるだろう。

担当者:では繁華街で割引チケットを配って、「お得感」を出してみてはどうですか?

経営者:いいね、すぐにできるし、やってみよう!

後日・・・

担当者:割引チケット、効果はどうでしたか?

経営者:最初は効果がでて売上が増えたけど、効果は1週間だったね、今はあまり変わらないよ。

担当者:そうですか。何が悪かったのでしょうか。。

経営者:それがわかれば苦労しないよ。。

さて、この担当者の対応は何が問題だったのでしょうか?

上記の会話は分かりやすくするために、少しドラマチックにしていますが、ここでは、経営者の言葉を「疑うことなく」、あたかも「本当に起きていること」として捉えています。

 

その結果、”割引チケット”という解決策に行きつました。

この対策が悪いわけでは当然なく、よい結果になる可能性もありましたが、結果的には根本解決には至りませんでした。

 

では次に、”思い込み”ではなく”ファクト”に基づいた会話を見てましょう。

 

b. “ファクトベース”の会話

経営者:なかなか売上があがらなくて困っているんだよ。

担当者:そうなんですか。

経営者:うちの温泉は繁華街から遠いから、なかなか来てもらえないんだよ。

担当者:(繁華街から遠いというけど、具体的にはどれくらい遠いのかな?明確でではないな。。それなら、)どのくらい繁華街から遠いのでしょうか?歩くと繁華街から何分ですか?(ファクトを引き出す質問)

経営者:徒歩10分ぐらいかな。

担当者:(思ったより近いぞ。理由は別のところにあるのかな)では、もっと繁華街よりも遠くて、客入りがいい温泉はありますか?

経営者:そうだね、、確かに何件かあるな。

担当者:(やはり距離の問題ではなさそうだ)では、他にどんな原因が考えられますか?

経営者:うちはもう一度来てくれるお客さまが少ないように感じるな。

担当者:(数字にしないとわからないな、、)新規とリピートの割合はどれくらいなのですか?(ファクトを引き出す質問)

経営者:あんまりリピーターはいないね。ほんとど新規だよ。

担当者:(リピート率の調査が必要だな)では、有名な温泉のリピート率ってどれくらいなんですか?(ファクトを引き出す質問)

経営者:だいたい10%かな。

担当者:リピート率の高い温泉と御社の温泉との違いはなんでしょうか?(課題を引き出す質問)

経営者:うーん、そんなの温泉の質じゃないの?

担当者:ちなみに、御社の顧客満足度はどれくらいなんですか?(ファクトを引き出す質問)

経営者:調べたことないな・・

担当者:アンケートをとってみるのはどうですか?

経営者:いいね!やってみよう。

後日・・・・・

担当者:アンケートの結果はいかがでしたか?

経営者:いや~予想外だったよ。スタッフの接客があまりよくなくて、改善点を希望するコメントが多かったよ。スタッフ研修を導入することにしたよ!

この担当者は、経営者の言葉を鵜呑みにせず、データに基づく情報を引き出す質問をしました。

それにより問題が明確化され、より効果的なアプローチができる結果となりました。

 

本当は、温泉のお客さま対応の評判が悪く、顧客満足度が低いためリピーターが少ないのが問題だったのです。

 

打った施策はよくある「顧客満足度調査」ですが、「お客さまの声を聴く」ということができていなかった、ということに気付いたフィクションストーリーです。

 

 

経営者の発言が感想なのか、仮説なのか、事実に基づくデータなのか、見極めながら会話することによって、本当の問題に近づきやすくなり、より価値のある会話を行うことができます。

 

会話の識別力を身に着けるために

経営者と「問題」について会話をするとき、多くの会話の中には、「思い込み」や「勝手な解釈」が含まれてしまいます。それでは、問題の解決策から離れてしまう可能性があります。

とくに重要な問題を解決しようとする際は、その会話が「事実に基づくデータ」なのか「いままでの経験からくる解釈」なのか、会話の識別力を身に着けることで区別できるようになります。

自身の発言も同じことが言えます。是非会話の識別力を高め、もっとも効果的な問題を扱えるよう訓練していきましょう。

 

(執筆協力:みらいコンサルティンググループ 松岡勇治・小谷野華)

 

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著者: KaikeiZine編集部

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