新型コロナウイルス感染症の影響で、全国に緊急事態宣言が出される事態となり、これまでの生活とは一変してしまいました。緊急事態宣言が解除されたものの、従来の日常には戻っておらず、新規の感染者数もまだ発生しており不安も続いています。長引く影響に心身の不調を感じて、「コロナ疲れ」や「コロナうつ」といった言葉も出てきています。このような状況の下でのストレスやストレスへの対処について見ていきます。

■コロナウイルス禍でのストレス

日本だけではなく世界規模で、新型コロナウイルス感染症という未知の脅威にさらされています。感染拡大を防ぐために、休業や外出の自粛が要請されて、私たちの生活や経済活動は大きな影響を受けました。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだ新型コロナウイルス感染症拡大の恐れがあり、従来の日常は戻っておらず緊張状態が続いていると言えるでしょう。

このようなコロナウイルス禍において、働いている世代にとってのストレスの要因には次のようなものがあるのではないでしょうか。

・感染リスクに関するストレス

外出に際しては、どこかで新型コロナウイルス感染症にうつるのではないかと疑心暗鬼になるかもしれません。また、季節が暑くなっていく中で、外出の際はマスクを着用すること、こまめに除菌を行うことなども負担に感じます。

・生活に関するストレス

自粛要請によって不要不急の外出を避けるように呼びかけられており、店舗や商業施設もあまり営業しておらず、どこにも出かけられないような状況がありました。友人や知り合いとも気軽に会いづらく、ストレスを発散する機会が少なくなりました。小さい子どもがいる家庭では、休校や休園によって子どもが家にいると生活上の負担が増します。

・仕事に関するストレス

感染を予防するために、対面で会うのは避けてテレビ会議や在宅勤務が勧められて、これまでとは仕事の進め方が変わってきました。それをあまり苦に感じない人もいますが、思うように仕事が進められないストレスを感じる人もいるでしょう。管理職であれば、組織のマネジメントの難しさを感じるかもしれません。

・金銭面でのストレス

業種によっては、休業要請や営業自粛、売上減少などで、休業や事業縮小を余儀なくされています。働く人にとっては、会社から休業手当が支給されるが十分ではない、残業代が出なくなり収入が下がっているという問題が起きています。経済的な面で厳しくなり、生活に不安を感じるのは大きなストレスになります。

・将来に向けた不安

今回のコロナの影響がいつ収束するのかまだ先が見えません。第二波、第三波の流行があると、爆発的に感染が広がるのではないかという恐れを感じます。また、収束したとしてもこれまでの生活や社会は戻らないのではいか、といった将来に対する不安があります。