国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

  • KaikeiZine
  • ビジネスマーケット
  • 【企画特集】アーリーステージ・中小企業のためのお金で得する経営術  第17回 6月12日成立の雇用調整助成金 中小企業は上限1万5千円、適用期限は9月末まで延長 

【企画特集】アーリーステージ・中小企業のためのお金で得する経営術  第17回 6月12日成立の雇用調整助成金 中小企業は上限1万5千円、適用期限は9月末まで延長 

コロナ禍の影響で休業を迫られ、給与を払い従業員を休ませた事業者に、政府がその費用の一部を助成する「雇用調整助成金」(緊急雇用安定助成金)が拡充された。1日1人あたり8330円の助成額上限を1万5千円に拡充、適用期限については6月30日までだったものを9月30日まで延長した。新・雇用調整助成金の適用要件のポイントをまとめた。

<新・雇用調整助成金の概要>

1、 緊急対応期間の延長

新型コロナウイルス感染症にかかる特例措置としての緊急対応期間(2020年4月1日~6月30日まで)が3カ月延長され、「2020年4月1日~9月30日まで」となった。

2、助成額上限の引上げ

1人1日あたりの助成額上限が、2020年4月1日から9月30日までの間、企業規模を問わず8330円→1万5千円に引上げ。

3、解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充

解雇等をせずに雇用を維持している中小企業の休業および教育訓練に対する助成率は、原則9/10(一定の要件を満たす場合は10/10など)だったが、一律10/10に引上げ。ここでの「解雇を行わない」とは、 次の①および②を満たすことが必要。

①1月24日から判定基礎期間の末日までの間に、次に掲げる退職者を出していないこと。(新型コロナウイルス感染症を理由とする解雇等も含まれる)

(Ⅰ)事業主都合による解雇による離職

「解雇」「退職勧奨」により離職した退職者、事業主都合で期間の定めのある契約の中途解除

(Ⅱ)期間の定めのある労働者が契約期間満了で離職する場合で、解雇とみなされる労働者の雇止め。例えば、継続3年以上雇用されている場合で事業主都合により更新しないケース。ただし、契約更新時に最後の契約更新になると明らかにされていたときは、期間満了による退職なので、ここでいう「解雇」にならない。また、本人都合により更新しない場合、任意退職扱いとなるため、解雇等にはあたらない。

(Ⅲ)派遣労働者を受け入れていたが、派遣契約期間満了前に、事業主の都合により派遣契約を解除した者(詳細は後述)

②労働者(雇用保険未加入者を含む)と派遣労働者の数が、令和2年1月24日から判定基礎期間の末日までの各月末の事業所労働者数の平均の4/5分以上維持されていること。(業界特有の理由で、例年特定の季節において事業所労働者数の増減がやむえない場合はこの限りではない。)

4、 遡及適用について

前述の「助成額上限の引上げ」、「解雇等を行わない中小企業の助成率の拡充」については、すでに申請済みの事業主も、2020年4月1日に遡って適用。なお、差額の追加支給分は、労働局・ハローワークで計算するため、再度の申請手続きは不要。

①すでに雇用調整助成金の支給決定された事業主⇒後日、差額を支給。

②すでに支給申請をしているが、雇用調整助成金の支給決定されていない事業主⇒差額を含めて支給。

一方、①②の事業主が、過去の休業手当を増額し、従業員に追加で休業手当の増額分を支給した場合、その増額分の追加支給のための手続は必要。

5、 雇用調整助成金の支給対象となる出向の特例措置等

出向期間が「3カ月以上1年以内」だったが、「1カ月以上1年以内」に緩和。

*(公財)産業雇用センターは、コロナ禍の対応として、一時的に雇用過剰が発生した企業が雇用者を守るために、人手不足の企業との間で雇用をシェアする「雇用シェア(在籍出向制度)」を活用した雇用支援を無料で行っている。

<外国人技能実習生も教育訓練の支給対象>

前述した3-①-(Ⅲ)の拡充に関しては、令和2年4月1日から同年9月30日まで、外国人技能実習生を受け入れている事業主に対して、教育訓練の支給対象となっている。(経営上・事業上の都合等により技能実習を継続することが困難となった場合、技能実習実施困難時届出書を外国人技能実習機構に提出する必要あり)

なお、事業主が外国人技能実習生をやむを得ず休業させて、技能実習計画に基づいた実習活動が継続できない状況が生じた場合、監理団体は直ちに、地方入国管理局へ実習活動を継続できなくなったこと、その対応策を報告することになっている。そのため、雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金を受給して、技能実習生を休業させる場合は、事前に監理団体へ相談し、不正行為にならないよう努める必要がある。

<受給対象>

経営上・事業上の理由により技能実習実施困難時届出書を外国人技能実習機構に提出した実習実施者(事業主)

<雇用調整助成金の税務・会計処理>

1、仕訳の方法

助成金が支給されたら、その支給額を収入として計上します。休業に係った費用と相殺して差額を計上するのではなく、支給額を総額で仕訳を行い、勘定科目は雑収入を使用します。

2、支給額の消費税の取り扱い

支給額は雑収入として計上し、消費税は不課税処理とします。

*消費税が不課税なのは、国内において、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供が課税の対象であり、補助金の受取はこれらに該当しないため。

3、支給額の法人税の取り扱い

補助金を受け取る事業者が法人である場合、支給額は雑収入として計上し、法人税法上は、売上と同様に法人税の課税対象となります。

収益計上時期は休業等があった事業年度で、事業に関連する助成金であることから、給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度となります。収益計上金額は支給決定額ですが、事実があった日の属する事業年度と支給日の属する事業年度が異なる場合には、合理的に見積もった金額を事実があった日の属する事業年度に計上します。

<法人税基本通達2-1-42>

法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

<関連記事>

▶第1回 会社にかかる税金と節税

▶第2回 オーナー社長の負担は法人税、所得税のダブルパンチ

▶第3回 会社にかかる税金を知る ~実際の税金はいくらになるのか・・・~

▶第4回 経営者が検討すべき「節税」と「租税回避」「脱税」は全く違う

▶第5回 最低でも決算3カ月前から節税対策を考えておく理由

▶第6回 中小企業経営者の報酬は高めに設定しておくべき理由

▶第7回 飲食業以外でも消費税の軽減税率が影響

▶第8回 利益を出している法人の節税ならまず経営セーフティ共済を検討すべき理由

▶第9回 社長個人の所得税、住民税を安くする小規模企業共済

▶第10回 社長の老後資金の積立に「つみたてNISA」の活用

▶第11回 新型コロナウイルスで活用したい小規模事業主向け融資

▶第12回 新型コロナ感染症 休業で活用する「雇用調整助成金」 厚労省がさらに制度拡充へ

▶ 第13回 新型コロナ対策「給付金」「補助金」「助成金」の課税問題

▶第14回 政府のコロナ対策資金支援 業種別に利用できる制度が一発で分かる

▶第15回 コロナ対策でテレワーク導入 社員同士のオンライン飲み会にお金を支給したら福利厚生費で処理

▶第16回 コロナ禍の影響で商品が売れ残り 在庫額下げて税金を少なくするポイント

Presented by アルトア株式会社

<概要>
アルトア株式会社 ( Altoa, Inc.、東京千代田区、代表取締役=岡本浩一郎)
会計ソフト『弥生会計』を提供する弥生株式会社の子会社。
会計データとAIを活用した新たな与信モデルを開発し、小規模事業者向けに「アルトア
オンライン融資サービス」を提供する。会計データ提出とインターネット入力で申込み
手続きが完了、保証人・担保なしと、早さと利便性がサービスの特長。


バナーをクリックすると㈱レックスアドバイザーズ(KaikeiZine運営会社)のサイトに飛びます

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する

著者: KaikeiZine編集部

KaikeiZine

租税調査研究会が監修する税金・会計の総合ニュースメディアです。税金・会計に関するさまざまなニュースを、わかりやすくお届けします!
■運営会社 株式会社レックスアドバイザーズ
https://www.rex-adv.co.jp/
■監修 税と経営の顧問団租税調査研究会
https://zeimusoudan.biz/
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
https://www.career-adv.jp/

ページ先頭へ