租税調査研究会の小寺壽成主任研究員・税理士が執筆した「民法的思考による 国際税務ケースブック」(法令出版)がこのほど、出版されました。国際取引に係る民法及びと国際税務がこの一冊にまとまっている、これまでにない実用書です。

民法的思考による 国際税務ケースブック
こちらから購入できます

経済活動がグローバル化する中、企業規模を問わず海外進出するケースが増えてきました。こうしたなか、グローバル展開する企業の担当者をはじめ、そのサポートを行う税金の専門家においては、将来予想される国際税務調査に備えておく必要があります。国際税務調査は、伝統的な税務理論の応用ではなく、人工的な後付けで作成した条文を基礎とする政策的提言であり、最低限の知識を覚えないと実践では全く調査対応が上手くいかないといわれます。さらに、国際契約をベースに取引を行っているため、契約の基になっている民法の観点からの検討も不可欠です。
そこで、本書では、国税当局で移転価格課税を中心とした国際税務を担当してきた著者が、民法と国際税務の観点から、税務調査で指摘、問題になりそうなポイントを解説しています。実務で使える、これまでにない一書です。

<目次>
序 章 国際税務学習の勘所
第1章 移転価格税制
第2章 PE課税
第3章 タックスヘイブン対策税制
第4章 外国子会社配当益金不算入制度
第5章 外国税額控除制度
第6章 コーポレート・インバージョン税制
第7章 課題支払利子税制・過少資本税制
第8章 国際的租税回避
第9章 民法解釈関連基本判例① ―映画フィルム・リース事件―
第10章 民法解釈関連基本判例② ―英国多国籍企業グループ事件―
第11章 民法解釈関連基本判例③ ―航空機リース事件―
第12章 民法解釈関連基本判例④ ―武富士事件―
第13章 国際相続・贈与① ―概説―
第14章 国際相続・贈与② ―国外財産調書制度―
第15章 国際相続・贈与③ ―国内財産調書通達―
第16章 国際相続・贈与④ ―国外財産調書Q&A―
第17章 海外勤務者等の税務① ―出国者の税務―
第18章 海外勤務者等の税務② ―外国勤務者の税務―
第19章 海外勤務者等の税務③ ―出向者の税務―
第20章 海外勤務者等の税務④ ―裁決事例―
第21章 平成26年度改正Q&A① ―総論―
第22章 平成26年度改正Q&A② ―文書化―
第23章 平成26年度改正Q&A③ ―外国法人の国内PEの帰属所得計算―
第24章 平成26年度改正Q&A④ ―内国法人の国内PE課税―
第25章 「国際税務契約」の検討① ―国際税務契約総論―
第26章 「国際税務契約」の検討② ―知的財産契約―
第27章 「国際税務契約」の検討③ ―出向契約―
第28章 「国際税務契約」の検討④ ―国際売買契約―
第29章 2つのモデル条約の思考① ―国連・OECD両モデル条約の検討―
第30章 2つのモデル条約の志向② ―事例検討―