経営者ヨシカワの上場探求コラム「コロナ禍の株主総会②」
こんにちは、上場探求隊(ジョウタン)のヨシカワです!7月後半某日、上場会社の株主総会に行ってまいりました。
今回はいろいろと話題提供してくれている、O塚家具さんです。・・・モロ社名ですね。

事業承継やらお家騒動でゴタゴタして業績も厳しいのに、なんで同社株を持っているかって?
笑っちゃうほど大損しているのですけど、売るタイミングを逃して持ち続けている1社です。
3年前に1,000円近くだった株価が、いま200円割れ。今年の年初来安値は105円です。昔であれば「株券が紙切れになってしまう」という表現が、いまなら「パーになる」って?
株は長期保有が基本。売らなければ損は実現しない。サービス業の株を持っていると株主優待が楽しみだって、自分を納得させて・・・(3年以上、1000株以上保有していると家具を10%引きで買えます)
今度近くに仕事部屋を借りようと計画しているので、株主優待を使おうかな。
IKEAやニトリに行けばもっと安く買えるよ!とおっしゃる向きもあろうかと思いますが、O塚家具さんはブランド品からリーズナブルなモノまでバリエーション豊富ですし、ショールームで選ぶ楽しみがあって個人的には好きなのです。ベッドやソファーは座って確かめてみないとね。

O塚家具さんのイチFUNとしてはYAMADAとのコラボ店が増えたこともあり、さらなる相乗効果を期待したい。
家電売上の比率は10%くらいあるそうです。
コラボ店では優待使えるかな。
ヤマダ電機さんと資本提携して経営がどうなるのか・・・
なにせ4期連続赤字です。4年で純資産を150億円近く減らしています。
そして、2022年4月期までに黒字にならないと上場廃止になります。
経営者の心中はいかに・・・
コロナ禍で経済が停滞しピンチの状況だからこそ、経営者の手腕が問われますね。
我が身に置き換えると身の引き締まる思いです。
役員報酬の低さをみれば、コスト削減でできうることはしていそうです。
監査法人も以前はBIG4の新日本有限責任監査法人だったと記憶していますが、昨年3月末で有限責任開花監査法人に代わっています。監査報酬はだいぶ下がったのではないかな。
4期連続赤字ですが、猶予が2年あるとは、コロナで延命できたという事でしょうか・・
まだ運がありそうです。
さて、そんなことを考えながら向かった株主総会の会場は有明本社の隣のビルでした。
電車では、新交通ゆりかもめの東京ビッグサイト駅が近いですが、コロナ感染防止のため、自家用車で首都高からレインボーブリッジを渡るドライブ気分。
「有明のO塚劇場を観に行く」みたいな。(苦笑)

会場のコロナ感染対策としては、受付で消毒液のワンプッシュを促され、検温して、招集通知をお渡しして会場に案内されました。これがもう普通な感じですね。
時間ギリギリになって席に着いたときには、120席くらいあるうち100席くらいは埋まっていました。
一定の距離は保てるようです。
ヤマダ電機関係者はじめ大株主も居たようなので、一般株主は50~60人くらいだったでしょうか。
いよいよO塚劇場開幕です。
波乱な展開はあるのか・・・
8人ほどの役員が壇上に座り、前方の大画面で説明動画とナレーションにより経営状況を説明されました。
対処すべき課題として挙げられたのは以下の4点。
- ・ビジネスモデル
- ・人材育成
- ・コーポレートガバナンス
- ・安定的な財務基盤確立
とくにビジネスモデルの転換について重点的に動画説明がありました。
バーチャルショールームやリモートのインテリア相談に力を入れ、リアルからバーチャルへの転換を企画しているようですが、簡単ではなさそうです。
BtoB販売を重視し、ホテルの内装受注や設計事務所と提携を進めたり、大株主ヤマダ電機との協業を強めたりとのことです。
コロナを機にオフィスの位置づけを考え直すタイミングであるだけに、インテリアのプロとしてクリエイティブなご提案を期待したいです。
BtoCでは、リアルからバーチャルへって言いますけど、それを徹底推進するのは、リアルな人間ですからね。
社員さんのモチベーションと頑張り次第なのかな、ということが気になりました。
シビアな意見や質問もいくつか飛び、緊迫感が高まりましたが、総じて会社を心配しての内容でした。進行も質問回答も議長である社長が終始務めていました。
この5年で有明本社の周りに高層の高級マンションが林立したのに、その需要を取り込めなかったのか?という質問がありましたが、お家騒動で法人チャネルを失ったのだそうです。
もったいない話ですね。
人材育成をどのように進めるのか?という質問がありました。
社長さんからは、「アナログな社員が多いので、まずはITに慣れてもらうところから」という発言がありました。
それが現実なのでしょうけど、上場会社として残された時間は長くはないのですが・・・

この1年で社員は2割減って1000人。
平均勤続年数が15年以上と、長期勤続で愛社精神が強い社員さんが多いとも思えますので、なんとか黒字達成を期待したいです。
多様な人材活用は同社に限らず日本のレガシーといえる会社にとっては喫緊の課題と思います。
ホワイトナイトとなるヤマダ電機側の役員から、明るい展望なども聞きたかったので、少し残念です。
上場が廃止になろうとなるまいと親会社にとっては関係ないのかな・・・
ヤマダさんにとっては、住宅・インテリア・家具、そして家電と、クロスセル戦略でしょうが、早く相乗効果出さないと利益を押し下げますよね。
いずれにしても、会社はヤマダさんのもの。黒字実現に向けて、ヤマダさん、どうか宜しくお願いします。
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著者: KaikeiZine編集部
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