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【コラム】租税法律主義とは言われるが税務職員が縛られる絶対的な内部文書

法律が一番重要だが、お役人の世界ではもう一つ重要視されるのが「通達(つうたつ)」「事務運営指針(じむうんえいししん)」だ。両方とも行政機関内部での上部組織から下部組織への“お達し”。つまり、お役人の行動を縛る重要な文書なのだ。国税庁なら税金取り扱いをはじめ、調査の際の細かな指示などが記されている。何が書かれているのか知ることで、役所の動きが一目瞭然だ。

税務行政においては「通達」「事務運営指針」は非常に重要だ。さらに国税庁では最近、「文書回答事例」「質疑応答事例」「タックスアンサー」がホームページに掲載されている。「通達」も「事務運営指針」も「文書回答事例」「質疑応答事例」「タックスアンサー」も、国税庁内部でどのように税務行政上取り扱っていくかが示されているもので、これは税務署の税務判断や行動を知る上で非常に重要情報なのだ。

・通達:「法令解釈」を行うにあたって課税庁が守るべき統一的な解釈

・事務運営指針:課税庁の「内部事務」を行うにあたって、課税庁全体が守るべき統一ルール

通達は、法律・政省令や告示などとは異なり、行政機関内部における指針に過ぎないものの、国税庁はこれに沿って税務行政を行うので、税務職員にとっては法律同様の効果がある。そのため、世間的では、「通達行政」などとも言うが、税務の現場では、税理士も税務解釈の場面では、通達をベースに判断することが非常に多い。

次いで「事務運営指針」だが、要は税務調査などでバラバラな対応を職員がしないように、全職員が「守らなければならないルール」を定めたもの。通達も事務運営指針も、役所内部の「内規」みたいなものなので、納税者を拘束するものではないが、税務職員は、これを絶対守らなければならない。国家公務員法第98条(法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止) には、「職員はその職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」と明記されている。

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