酒井克彦の「税金」についての公開雑談~納税のための貨幣〔後編〕:偽札と渋沢栄一~

令和6年より紙幣が刷新され、そこでは、千円札の図柄は北里柴三郎、5千円札は津田梅子、1万円札は渋沢栄一になることが決定しています。新紙幣には最新の偽造防止技術などが用いられることとされていますが、印刷技術の発達した現在の我が国では非常に精巧な紙幣が発行されることから、幸いなことに偽札が流通することは滅多にありません。しかしながら、まだ国家の揺籃期であった明治時代など、政府が偽札対策で手を焼いていた過去も存在します。今回はそうした明治政府の貨幣政策を中心に、新1万円の顔である渋沢栄一にスポットライトを当ててみましょう。