新型コロナウイルス感染症の影響が長引いており、経営者にとって先行きの見通しがしづらい状況が続いています。これまで借入をせずに事業を行ってきた会社でも、借入が必要な状況になってきているところがあります。まだ切羽詰まった状況になっていなくても、今後のことを考えて借入を考えている、という話もお聞きします。コロナ禍の中ではじめて借入をしようとされている経営者もいらっしゃいますので、はじめての方向けに金融機関から事業資金を借りる際に一般的にどのような方法があるか、どのようにすればよいのかをご説明します。

■融資の申込先

はじめての融資を申し込む先として、一般的な選択肢としては、日本政策金融公庫と民間金融機関(銀行や信用金庫、信用組合など)があります。

民間金融機関から借入をする際、小規模な事業者は信用保証協会の保証付きの融資になるケースがほとんどでしょう。信用保証協会は、借入をした事業者が返済できなくなったときに、代わりに金融機関に対して返済を行う機関です。これを代位弁済と言います。この場合、事業者は信用保証協会に対して返済をすることになります。融資を受ける企業は、金融機関に対して利子を支払う他に、信用保証協会に対して信用保証料を支払う必要があります。

信用保証協会について、一般社団法人全国信用保証協会連合会のホームページでは、次のような図で示されています。

一般社団法人全国信用保証協会連合会ホームページ

また、都道府県や市区町村といった自治体と民間金融機関、信用保証協会が連携して実施する制度融資というものがあります。どのような制度があるかは自治体によってさまざまですが、創業を支援するため、小規模の事業者を支援するためなどの目的でこのような制度があります。制度融資には、自治体による信用保証料の助成や利子の一部補助といった優遇措置がなされるものもあります。

次の図は、横浜市のパンフレットに掲載されているものですが、図にあるように各種の認定を受けることによって利用できる制度融資もあります。たとえば、横浜市であれば横浜型地域貢献企業、横浜知財みらい企業、よこはまグッドバランス賞などの認定を受けていると申請できる制度があります。

「横浜市中小企業融資のご案内」より

また、自治体によっては、先に自治体への申請が必要になるものあるようです。

各自治体でどのような制度融資が設けられているかは、「自治体名 制度融資」といったキーワードで検索できます。

まとめると、融資を受けるにあたっては、一般的には次のような選択肢があります。

  • ・日本政策金融公庫
  • ・民間金融機関
  • -信用保証付き融資
  • -制度融資

さらに、日本政策金融公庫からの融資となりますが、商工会議所や商工会の会員でしたらマル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度)という制度があります。これは、小規模事業者を対象として、商工会議所や商工会の推薦にもとづいて行われる融資制度です。比較的金利が低い、無担保・無保証人で代表者保証も不要といったメリットがあります。