国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

  • KaikeiZine
  • キャリア・お仕事
  • 税理士法人Brothership代表 松原潤の経営コラム 「私たちがブラック寸前の会計事務所から改善できた理由」

税理士法人Brothership代表 松原潤の経営コラム 「私たちがブラック寸前の会計事務所から改善できた理由」

私たち税理士法人ブラザシップが目指している仕事環境は、「安心安全な職場」です。しかし、最初からそのような職場を築くことができたわけではありません。
今回は、「ブラック寸前」ともいえる状態だった税理士法人ブラザシップを、どのように立て直したのかについてお話しします。

「ブラック寸前」だった過去

私たち税理士法人ブラザシップが目指している仕事環境は、「安心安全な職場」です。私たちがイメージする安心安全な職場とは、人間関係が良好で、不安や恐れがなく、自分の意見が自由に言え、強制されることなく全員が主体的に動き、あちこちで感謝や承認があり、仕事が楽しみで日曜夕方に憂鬱にならない職場です。

かといってぬるま湯とは違い、規律があり、本人に必要なフィードバックは必ずされ、挑戦する文化があり、失敗したとしても非難されずナイストライと認められる。そんな職場を目指しています。

心理的安全性が高い職場は、パフォーマンスも高くなると科学的に立証されています。あのgoogleでも会議に入る前にアイスブレイクを大切にする文化があり、家族やプライベートについての会話が職場でよくされると本に書かれています。

私たちは、今は理想の安心安全な職場に近づいている実感がありますが、過去はそうではありませんでした。むしろ、正社員が数人の少規模だった時の私たちは、それとは真逆だったのです。

当時は成果に事務所自体の存続がかかっていたことから、仕事を取ってくる人が一番偉いという成果主義。完全にトップダウンであり、精神的なプレッシャーをかけることで社員を動かしていました。事務所には常に緊張感があり、雑談をしている余裕はありません。自分が寝ている時間を削って働いているのだから、社員も同じくらい働いて当然だと思っていました。なぜ言われたことが出来ないのか、それこそ1時間以上つめることも珍しくなかったのです。

高圧的なマネジメントしか知らなかった

今から振り返ると後悔や恥ずかしさでいっぱいになりますが、なぜ私たちはそんなマネジメントをしていたのでしょうか。それは「そんなマネジメントしか知らなかった」からではないかと思います。自分が会社員として働いていた職場がそうだったから、それが正しいと信じ込んでいたのです。

また、高圧的なマネジメントは、短期的には成果が出るから厄介です。社員は怒られたくないから頑張るのです。しかし、長くは続きません。社員は疲弊し、パフォーマンスは落ちてきます。その場しのぎの嘘をつき、ミスを隠すようになります。職場の雰囲気は悪くなり、社員は孤立し、そしてある日退職届が突き付けられるのです。

私は自分の力不足を痛感しました。いくら良い戦略を描けたとしても、それを実行する組織を作れなければ絵に描いた餅になってしまいます。経営は短距離走ではなくマラソンなのです。私はそれまで組織の作り方について深く学んできませんでした。いや、正確に言うと軽視してきたのです。優秀なメンバーを集めれば何とかしてくれる、人間話せば分かってもらえる、裏側にある愛情は理解してもらえるだろう、問題が起こってもそれはたまたま起こっただけで、時間とともに自然と解決していくだろう。そう本気で思っていました。

1 2
ページ先頭へ