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相手の存在や努力を認めて自信を取り戻してもらう対応(承認編)

クライアントや周りの人が厳しい状況にある・苦しい立場にいる場合、まずはじっくり話に耳を傾けることが大切です。これについては、「経営状況の厳しいクライアントや落ち込む部下に寄り添う対応(傾聴編)」の記事にまとめました。今回は、相談された方が心理的に回復して前に向いていけるような対応についてご紹介します。

(参考)「経営状況の厳しいクライアントや落ち込む部下に寄り添う対応(傾聴編)」

新型コロナウイルス感染症の影響はさまざまなところに出ています。仕事面では売上や受注が減少している、来店していたお客さんが戻ってこない、収入が減ってしまったといった影響が出ています。生活面ではリアルで人と会う機会が減る、あまり出掛けずに引きこもりがちになった、という人も多いでしょう。何より重苦しい閉塞感、先行きが見えない不安が社会を覆っています。

そのような中で、事業面や生活面などでうまくいかずに苦境に立たされている人から相談を受けることもあるかもしれません。落ち込んでいる人に対応するにはまずは傾聴することが大切です。じっくり聴いてもらうことで気持ちが落ち着いてきて、自分の気持ちや考えが整理されます。

人は落ち込んだとき、不安や悲しみ・混乱の中にいるところから、自分の力や周りのサポートを受けながら心理状態がプラスに向いていきます。(下図)

傾聴によって気持ちが落ち着いてきますが、さらに自信を取り戻して前に進むための後押しをするには、相手の存在や努力を認める「承認」が有効です。

■承認欲求

ここで「承認」といいますのは、相手を尊重して認めることです。誰しも「人から認められたい」「自分のことを分かってほしい」「褒めてもらいたい」といった承認欲求があります。

心理学者アブラハム・マズローが唱えた有名な「欲求段階説」では、人間の欲求には次の5段階があるとされています。

・生理的欲求

食事や睡眠など生きていくための本能的な欲求です。

・安全の欲求

安全を確保したい、健康を維持したいといった欲求です。心身の安定や安心を求める気持ちです。

・社会的欲求

社会から必要とされたい、何かに属したい、誰かに受け入れられたいといった欲求です。これが満たされないと孤独や不安を感じます。

・承認欲求

自分の価値を認められたい、尊重されたい、評価されたいといった欲求です。

・自己実現の欲求

自分の能力や可能性を発揮したいという欲求です。

承認欲求は誰もが持っている欲求であり、それが満たされない状態は苦しみを生みます。

あえて当てはめるとすれば、傾聴によって社会的欲求が満たされて、承認によって承認欲求が満たされます。承認欲求が満たされると、自分の能力を発揮しようという自己実現欲求が強くなってきます。

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