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今話題の「配偶者居住権」が分からない…どういうもの?なぜ始まった?

配偶者居住権の制度が今年の4月から施行されました。会計業界では何かと注目される一方、「よく分からない」という声も耳にします。今回は概要を確認した上で、なぜこの制度が創設されたのかを見ていきましょう。

■配偶者居住権とは何か

配偶者居住権とは、被相続人の生前から一緒に暮らしていた妻や夫が、被相続人の死後も住み慣れた家で賃料の負担なく安心して暮らすための権利です。

所有者が亡くなっても妻や夫が自宅に住み続けるには、自分が家を相続するか、新所有者の同意を得て住むかのどちらかになります。しかし、いずれも配偶者のその後の生活が脅かされるおそれがあったのです。「自宅の所有権とは区別し、配偶者自身の住む権利を守ろう」という趣旨で配偶者居住権の制度が始まりました。

●配偶者居住権を行使できる人

ただし被相続人の配偶者なら誰でも権利行使ができるわけではありません。次の要件が求められます。

  • ・被相続人の死亡時に被相続人所有の建物に配偶者が住んでいたこと
  • ・遺産分割・遺贈・死因贈与・家庭裁判所の調停又は審判で配偶者居住権を取得したこと

また、誰もが権利を行使しないといけないわけではありません。「家を追い出される心配がない」「自宅に長く住む気がない」ならあえて設定しなくてもよいのです。

●短期と長期がある

配偶者居住権には短期と長期の2種類があります。短期は「配偶者短期居住権」といい、被相続人の死亡日から最低6カ月間は自宅に住める権利です。長期は「配偶者居住権」といい、配偶者の死亡時まで存続しますが期間を区切って設定することもできます。登記制度があるのは長期の方だけです。登記しておけば、自宅が第三者の手に渡っても住む権利を主張できます。なお、長期の権利については、所有権者の了解を得れば配偶者は第三者に自宅を賃借することもできます。

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