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消費税の増税が再延期で影響を受ける制度アレコレ

消費増税がまたまた延期された。来年4月に予定されていた10%税率への引上げは、2年半後の平成31年10月に延期。これに合わせ、予定していた軽減税率も棚上げとなった。「世界経済の下振れリスクに備えなければならない」というのが延期の理由。一般消費者からは安堵の声が上がる一方、事業者からは「またか…」という困惑の声も聞こえてくる。消費増税の延期は確かにお財布には優しいが、増税を見据えてさまざまな準備をしてきた事業者にとっては肩すかしを食らった格好だ。これは消費税を取り巻く各種制度についても同じ。消費増税を前提としてセットされたさまざまな措置に影響が及んでいる。再延期により〝肩すかし〟を食らった各種制度を整理してみる。

「またか…!」振り回される事業者

消費増税の延期はこれで2回目だ。
8%から10%への引上げは、もともと平成27年10月に行われる予定だった。
それが「景気低迷」を理由に半年後の平成29年4月に延期。
そして今回、「世界経済の下振れリスクに備える」ということで、さらに2年半後の平成31年10月まで延期することになった。
前回の消費増税延期の際の「もう絶対に延期しない」という安倍晋三首相の言葉を受け、
日本中の事業者が、商品やサービスの価格見直し、増税を見据えた販売計画、コスト削減など、新しい軽減税率への対応も含めて準備を進めていた矢先のことだ。
多くの事業者が大なり小なり影響を受けているわけだが、その一方で気になるのが、消費増税を前提としてセットされている政策の行方について。前回の消費増税の延期を受けて、さまざまな施策が措置されている。

住宅ローン、エコカー減税、etc…

例えば住宅ローン控除。同制度は、10年以上のローンを組んでマイホームを買ったり、増改築したりした場合、一定条件のもと、年末借入残高の1%相当額の税額控除を10年間にわたり受けられるというもの。利子負担を税還付でフォローすることで住宅購入を後押しするという人気の措置だ。適用期限は平成29年末までとされていたが、前回の消費増税の延期を受け、平成31年6月末までに延長されている。今回の「消費増税の再延期」を受けてまた延期されるのか——。

エコカー減税も同様だ。エコカー減税は、排ガスと燃費の基準値をクリアした環境性能に優れた車に対する税金の優遇制度。対象となる新車を購入した場合にかかる自動車取得税と、適用期間中の車検の際に納付する自動車重量税が減免される。

このうち自動車取得税については、消費税8%への引上げ時に従前の5%から3%へ引下げられ、10%への引上げ時には0%、つまり廃止される方向で予定が組まれている。

消費増税の動向に合わせてスケジューリングされているため、前回の消費増税延期の際には「3%」の適用期限が2年延長され、「廃止」も平成29年4月に延期された。今回の再延期を受けて「廃止」も再延期になる見込みだが、まだ決定はしていない。今後の動きに注目しておく必要がある。

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