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会計、税務、財務の業務を社会のインフラ事業にし、顧客と二人三脚で歩む。 【税理士法人山田&パートナーズ 三宅 茂久氏】

現在、国内外に23事務所を設け、更に世界140か国以上のメンバーファームと連携し、全世界での会計サービスを可能にしている山田&パートナーズ。今回取材を受けてくださる統括代表社員・三宅氏は、会計、税務、財務の業務を社会のインフラ事業として捉えていると語る。現在700名以上のスタッフを抱える三宅氏のこれまでのキャリアと、今後のビジョンに迫ります。

税理士としてのキャリア

山田&パートナーズの前身である、山田事務所にご入所されるまでのキャリアについて伺いたいと思います。幼少期の様子や、税理士を目指したきっかけについて教えてください。

三宅:岡山県倉敷市で呉服屋の次男として生まれました。小学生の頃から店番や商品の配達の手伝いをしていたので、何となくビジネスに慣れ親しんでいたとも言えますね。しかし、そうはいっても、成績もスポーツも普通の小学生。水戸黄門の影響か正義感は強いくらいで、それ以外は普通です。そして、県立高校に通いましたが、入学当初の成績が学年で20番くらい。しかし入学後全く勉強をせず遊んでばかりいたので、一番落ちたときで370番台でした。

最後の半年くらい一生懸命勉強して、大学は国立で家から近いところを探して、香川大学の農学部へ行きました。大学4年で就職について考えましたが、当時はバブルで、選ばなければいくらでも就職先がある時代。しかし、どうにもピンとくる仕事が見つかりません。どうしようかと思っていた矢先、アルバイト先の女の子が「国家資格を取って、それを一生の仕事にする。」と言っていたのです。
そういう生き方もあるのかと、目から鱗が落ちました。
自分も何か目指そうと思って、数学と社会が好きだったことから数字と経営に関わる税理士を選びました。

卒業後に勉強を始められましたか?

三宅:大学4年の9月から勉強を始め卒業してから税理士の勉強に専念した期間が1年4カ月あります。1年目の受験で3科目、2年目の受験で2科目です。

とても早いペースですね。何か原動力があったのでしょうか。

三宅:高校では遊んでいて優等生から劣等生になりました。だから何としても税理士に合格して、人生を挽回しなければという気持ちが強かったのだと思います。1日10時間くらい、一生のうちで一番勉強しましたね。ここで合格したことで「チャレンジすれば何事も達成できるものなのだ」と思えるようになりました。

平成元年9月に山田淳一郎事務所へ入所されました。ご入所のきっかけは何でしたか?

三宅:専門学校が試験会場で配っていた就職誌にたくさん会計事務所が載っていて、山田淳一郎事務所もありました。当時、創業者の山田淳一郎の写真が載っていまして「格好良い!」と思ったのがきっかけです。当時30名ほどの事務所でしたが、面接でも何となくおおらかな雰囲気があり、就職を決めました。

税理士法人山田&パートナーズでのキャリア

ご入所後はどのような業務をされていましたか?

三宅:2年ほどは相続の仕事が中心で、その後は医療関係を5年、そしてアメリカの会計事務所・BDOに2年半出向しました。戻ってきてからはコーポレイトと国際の仕事をして、今に至ります。

入所後に驚いたことは、やはり実務となると勉強した内容よりもレベルが高くなることでした。一通り勉強しましたが、パターンをこなせば何とかなる試験と違って、実務は1件1件事情が違います。その事情を考慮に入れて仕事をしなければなりませんから、当然勉強したことよりもレベルが高くなります。特に相続は、対応すればするほど自分の足りないところを痛感しました。だから仕事が終わったあとも、土曜、日曜も勉強に充てていました。

その後は、山田事務所が新しく始めた医療分野に携わりました。バブルが崩壊して相続の仕事が減っていく中で、他の分野にも広げようとしたわけですね。医療は比較的経営が安定していますから、医療機関のお客様を安定分野として持っておく方がいいというのが、当時の山田の考えでした。私はその医療事業部の部長になりましたが、なにしろ新しい分野。仕事を取ってくることと、所員に定着してもらうことが大変でした。特殊分野である医療より、相続や一般の法人の仕事をやりたいと思って入社してきた所員も多いですから。そのバランスを取ってあげるのに苦労しました。

その後はアメリカへ行かれたのですね。英語は話せたのですか?

三宅:いえ、全く。日本で4カ月ぐらい英会話の勉強をしましたが、向こうでは全く歯が立ちませんでした。行ってから最初の3カ月はきつかったですよ。何を言っているのか、何をやっていいのか分からない。毎日泣きながら会社に行きました。しかし3カ月を過ぎるころから何とかなるかもしれないと思いはじめ、1年経てば一通り経験しますから大体要領が分かってくる。3年目になるとアメリカ人としっかり議論して、自分の意見もどんどん言えるようになりました。しかしその頃に帰国になります。

アメリカから帰るときには、さみしい気持ちになりましたか?

三宅:それが、そうでもありませんでした。確かに見ること、聞くこと、やることは、新しいことばかりで毎日が本当にエキサイティングです。しかし、周りは皆アメリカ人。長くやれば専門職業としてのキャリアは上がるかもしれませんが、生まれも生い立ちも何もかも違う人種の中でビジネスマンとして楽しく仕事ができるのかというと、私にとっては日本の方が面白かった。だからアメリカは2年半でちょうどよかったです。

帰国後は、立ち上げた国際部の部長として5年ほど、国際税務を増やすという業務でした。そのあとは平成15年に副統括代表社員になって、事務所全体の経営と、国際部の部長。それと並行して、法人関係の業務をやる別の部署を3つ作り、その部長を兼務しながら大阪事務所の責任者もやりました。5部門の部長を兼務していましたね。

それはとてもお忙しかったでしょうね。

三宅:はい、それはもう。しかし私にとってアメリカ時代は、英語力や国際税務の力は上がっても、ビジネスとしては何もできていないと感じていた期間でした。フラストレーションが溜まっていたのです。だから日本に帰ったらやりたいことがたくさん出てきて、忙しくても面白く働いていました。当時、組織再編税制や連結納税制度が導入されたので、そのコンサルティング業務がどんどん大きくなっていた時期でしたから、やるべき仕事は目の前にたくさんあったのです。その後、平成20年に統括代表社員になり、現場からは徐々に離れました。

経営についてと今後のビジョン

経営の面白さや大変さ、大切にされていることを教えてください。

三宅:経営はどこにも手引きがないので、自分で考えるしかありません。周囲の人の力を借りて、自分でやっていかなくてはならないというのが、大変さでもあり、面白さでもあると思います。
大切にしていることは「トップラインを引き上げ、ボトムラインを支える」ということです。事業のエリアを増やし、レベルを上げていくことはトップがやらなくてはならない仕事です。一方で、ボトムラインもトップが支えなくてはいけません。皆調子のいいときばかりではなく、健康や家庭の事情が厳しいときや、お客様とのトラブルでクレームを受けるときもあります。このトップラインとボトムラインの両方を支えることが、経営において大事だと思うのです。
自分だけでできることは限られています。周りの助けや、アドバイスを大切にして、力不足なところは素直に認めて、人の力を借りるということですね。

貴社の理念と特徴について聞かせてください。

三宅:私たちは税理士法人ですから「会計税務に関わる仕事は限界を作らず何でもやろう」と、皆にも言っています。一方で会計税務に関わらないことはやらない。どんなに儲かってもやらない。そこに理念を置いて、会計税務に関わる守備範囲を拡大しています。

もう1つは、税務や会計の仕事は社会のインフラ事業であるという理念も持っています。税務には法定期限があって、それまでには必ず終えないと、お客様が社会的責任を果たせません。社会インフラとして自覚と責任を持って、私たちの事業を止めてはいけないと思っています。今回も新型コロナウイルスの流行による緊急事態宣言がありました。それでもお客様に迷惑をかけないよう、事業を継続しないといけません。

インフラという観点でいうと、今国内に18の事務所がありますが、できる限りお客様の近くで私たちの業務を提供したいので国内の事業所の数を増やしています。海外にも5つの直営事業所があり、グラントソントンという国際ネットワークにも加盟していますので、世界規模のニーズにも対応できます。

今後のビジョンについてはいかがでしょうか。

三宅:グループで弁護士法人があり、アウトソーシング会社があります。また、コンサルティング提供をしている山田コンサルティンググループがあります。グランドソントンというグループでいけば、太陽監査法人のグループがあります。

こういう提携先の力もどんどん活用させていただき、お客様のあらゆるニーズにお応えしていきたいというのが、今後に向けての大きなビジョンです。

KaikeiZineの読者へメッセージ

最後に、KaikeiZineの読者へメッセージをお願いします。

三宅:税理士法人の仕事は、非常にフェアな仕事です。会計制度、税法、法律にきちんと準拠して業務提供をしなくてはならない。土台となる知識は、自分で勉強しないと、身につきません。その努力をするかしないか、勉強するかしないかは、全て自分次第なのです。

そして、当法人は創業約40年。お客様の何十年、あるいは百年を超える目線のとなりで、山田&パートナーズは長く継続してきました。ですからお客様は、これから先も長く見てくれるだろうと安心感を当法人へ寄せてくださいます。非常にやりがいのある組織だと思っています。

クライアントと共に成長をし、社会ルール順守のサポートを行ってきた山田&パートナーズ様。これからもお客様のニーズや課題に寄り添い、総合型の会計事務所として国内外問わず、ご支援を行っていくのですね。三宅代表、有難うございました。

税理士法人山田&パートナーズ

●設立
1981年4月1日

●所在地
東京都千代田区丸の内1丁目8−1 丸の内トラストタワーN館8階

●理念
「健全な価値観」「社会貢献」「個と組織の成長」

●企業URL
https://www.yamada-partners.gr.jp/

 

著者: KaikeiZine編集部

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