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審判所 贈与契約書に記載されても真の贈与者と認めず 元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第12回)

受贈した現金について、当該現金の原資から、被相続人の配偶者が贈与者と記載された贈与契約書は事後的に作成されたものであり、真の贈与者は被相続人であるという判断が示されました。

国税不服審判所令和元年6月17日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、被相続人Aの長男及び養子であり当該長男の配偶者(請求人)が相続税の申告をしたところ、原処分庁から、過去に相続時精算課税の選択をした贈与税の申告をしていることから、当該選択をした年分以降の被相続人からの贈与により取得した財産の価額は当該相続税の課税価格に加算すべきであるとして更正処分等を受けたため、当該相続時精算課税の選択をした贈与税の申告は無効であるなどとしてその全部の取消しを求めた事案である。

Aの共同相続人は、Aの配偶者B、長男及び請求人であり、請求人が平成18年及び平成21年に現金の贈与(本件各現金贈与)を受けた際、出金されたA名義の預金口座には、A自らにより「贈与」と手書きでメモされ、入金された請求人名義の預金通帳には、請求人自らにより「Bより」と手書きでメモされていた。一方、平成21年の現金贈与に関し、贈与者をB、受贈者を請求人とする平成21年6月4日付の贈与契約書(本件21年書面)が存在する。なお、平成18年7月20日、請求人はAから建物の贈与を受け、翌年3月7日、暦年課税による請求人の贈与申告書が提出されたが、同月14日、相続時精算課税の選択をした請求人の訂正申告書が提出された。

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