給与所得者たるサラリーマンは年末調整で税の申告が済んでしまうために、税金は自分から遠いものと思いがち。ですが、確定申告をしなければ損してしまうこともあります。会社任せではなく自分で税務署に税金の申告することを「確定申告」といいますが、ここでは、どんなサラリーマンが確定申告を行う必要があるのか見ていきます。
確定申告って何?
年収が2千万円を超える人や2カ所から給与を貰っている人は確定申告が必要ですが、年末調整で税の申告が済んでいるサラリーマンでも確定申告が必要になることもあります。
所得税の確定申告について2020年(令和2年)分を例にとり説明すると、2020年1月1日から12月31日に得た所得とそれに掛かる税額を、2021年2月16日から3月15日の間に、税務署に対して「確定申告書」を提出することで申告・納税(または還付)します。申告期限を過ぎると「加算税」が掛かってくるので要注意です。
税金が還ってくる「還付申告」は1月1日から5年間いつでも申告することができます。
申告が必要となる主なパターンは以下のようなものになります。
確定申告をしないと税の無申告になる人
給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をする必要があります。無申告でいると、後々加算税がかかりより多くの税金を納めなければならなくなります。
なお収入があっても、収入よりもその収入を得るための費用の方が多かった場合は申告の対象とはなりません。
①副業をしている
ハンドメイド品をインターネットで販売している、ウェブライターをしている等、副業の所得が20万円を超える場合は申告の必要があります。
②不動産を貸している、不動産を売って利益が出た
転勤により一時的に自宅を貸し付けている、駐車場を貸しているなどで不動産所得があると申告の必要があります。
また自宅を売って利益(譲渡所得)が出た場合も確定申告が必要です。なお、自宅の売却には色々な控除が用意されているので売却益全額が即課税対象となるわけではありません。
③投資で儲けた
株や投資信託など、保有している金融資産から得た利子所得や配当所得は確定申告が必要です。ただし確定申告不要制度を選択できるものもあります。
また、売った株や投資信託が利益を出したら、譲渡所得を申告します。ただし、特定口座で源泉徴収を受けている、非課税投資枠内での投資といった場合申告の必要がありません。
④保険金で利益が出た
払い込んできた保険料よりも満期金の方が高い、自分が保険料負担していた死亡保険金を受け取ったなど、保険金で利益が出た場合は一時所得または雑所得として確定申告する必要があります。一部保険については源泉徴収で課税関係が終了し、申告が必要ないものもあります。
⑤公的年金等が年400万円を超える
例えば年間20万円を超える給与所得がある一方、その年中の公的年金等の収入金額が400万円を超える場合は確定申告する必要があります。
⑥懸賞、競馬で万馬券を当てた等一時所得があった
趣味の漫画が入賞して100万円の賞金が出た、万馬券を当てて100万円儲かったといった、臨時収入的な所得を一時所得といい、特定の控除額を超える場合は申告する必要があります。