この連載では、IPOを目指すJ-SOX導入プロジェクトを担当される方々が、具体的にどのようなアクションをとればよいかを説明します。
IPOを目指す際に、最も苦労する作業といわれるJ-SOX導入。「J-SOX導入プロジェクト」を担当される実務家の方が「何をすれば良いのか」、「どのように進めれば良いのか」といった具体的なイメージを描けるよう、実際のゴールとなる「成果物」、「具体的なアクション」に焦点を当てて話を進めたいと思います。
はじめに
JSOX導入プロジェクトは会社の業務フローが変わるプロジェクトです。業務フローの変更はJSOX導入担当者から業務を実施する社内メンバーへ業務フロー変更の依頼を行う形で進められます。
業務フローの変更は業務を担当する社内メンバーにとっては大きな負担となる一方、変更を依頼する立場のJSOX導入担当者は業務を実施している当事者ではないため業務内容、過去に生じた問題等は通常把握していません。監査法人からのコメント等に対応するためにJSOX導入担当者が依頼した業務フローの変更が、業務を担当する社内メンバーにとって許容できない変更であるケースもあり、進め方を誤るとトラブルとなることがあります。
JSOX導入担当者vsその他の社内メンバーとなってしまう状況です。
今回はJSOX導入プロジェクトによって社内対立、社内分裂を起こさないために気を付けるべきポイントを記載します。
3つのポイント
JSOX導入プロジェクトは社内対立、社内分裂を引き起こしてしまうリスクが高いプロジェクトです。一方、JSOX導入担当者には厳しい時限的な制約があるため、焦りに近い気持ちを抱えた状態で社内メンバーに業務フローの変更を依頼していくという作業が続きます。
このような心理的環境下にあるJSOX導入担当者が、社内対立、社内分裂を引き起こさないために、プロジェクトを進めるときに注意すべき「3つのポイント」を記載します。
・3つのポイント
- ① プロジェクトの全社周知
- ② 当事者の状況をよく聞く
- ③ 第三者に必ず関与してもらう