国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意 〜第22回 アイデア精査10のポイント〜

どれほどいいと思えたアイデアであったとしても、そこには見落としや思い込みが潜んでいます。第22回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意では、アイデアの確度を引き上げる精査ポイント10個をご紹介します。

前回、「差別化」の3つのポイントについてご紹介しました。
今回はさらに広げて、新しいビジネスアイデアを考えたときに欠かせない「チェックポイント」についてご紹介します。

よく言われるように、残念ながら、いいアイデアを思いついた!と思っても、そこには多くの見落としや思い込みがあります。
もちろん、チェックすることで必ず成功するというわけではありませんが、少なくともケアレスなミスを減らし、アイデアの精度を高めることが可能です。

アイデアを精査するポイント

① 実現可能性
そのアイデアは果たして「実現」できるのか?という点です。
どれほどいいアイデアであっても実現しなければ話になりません。
(その一方で、難易度が高いからといって簡略化してしまうのも本末転倒です)
そのアイデアを実現するために、自社にそのリソースがあるのか、外部リソースを活用することで可能になるのか、などの検討が欠かせません。

 

② 需要実在性
そもそもその商品やサービスに対する需要が実在しているのか、です。
市場がある、新しい法律ができる、ブームになりつつあるなど様々な需要がありますが、
ここで一点留意したいのが、需要がある=ビジネスになる、とは限らない点です。
残念ながら、この点はよく間違いやすいです。
需要があるのに、だれも手を付けていない。自分が、自社が最初だと思ってしまうのは早合点。このコラムでも幾度となくお伝えしているとおり、いわゆる未開の地はほとんどありません。つまり、そこには誰も手を付けない理由があると考えたほうがベターなのです。

 

③ 差別化内在性
前回お伝えした「差別化」のことです。
新規性、優位性、限定性などがその商品、サービス、ビジネス全体に果たして含まれているのか。くれぐれも「自社」にとって、ではなく、「利用者」にとってそれらがあるのか、がポイントです。

 

④ 収益性
果たしてそのビジネスは利益を生み出すのか。
新しいビジネスを生み出すのは、このためだと言い切っても言い過ぎではないでしょう。

この点をチェックするとき、ぜひとも考慮して頂きたいポイントが3つあります。
「ボリューム」と「時間軸」、そして「限界利益」です。

ボリュームは、一回の取引でどのくらいの利益が生まれるのか、時間軸は利益が生まれるまでにかかる時間のことを示しています。
例えば、運送業はボリュームが小さいですが、利益に変換するまでの時間が短い。
反対に建設業やシステム開発業では、ボリュームが大きく、利益変換までの時間が長い。
これらに当てはまらない、つまりボリュームが大きく、利益変換時間が短いというビジネスはほとんどありませんし、またボリュームが小さく、変換時間が長いものはビジネスとして成立しない性質を持っています。
そして、3つめが「限界利益」です。

利益が出る、だから問題ない、といかないのはご承知のとおりです。
近頃ではようやく「利益」で考えるというのが浸透しつつありますが、それでもなお「P/L(損益計算書)」ベースで考えてしまうケースがほとんどです。

利益が果たして十分なのかどうかは、損益計算ではなく、管理会計で用いられる「変動損益計算」で行うことが欠かせません。

ややこしい説明は割愛しましょう。
限界利益とは、
限界利益=固定費+営業利益
のことです。
つまり、固定費と利益の合計をカバーできるだけの利益が出せるのかどうか。
売上から原価、コストの順で差し引いていく損益計算では、あらかじめ必要となる利益を組み込んでおくことができません。
利益→固定費→変動費の順で逆算し、積み上げた売上高。
これが運転資金をベースにした一定期間中に稼ぐことができるのかどうか、です。

 

⑤ 拡張容易性
そのビジネスを拡大することが容易かどうか。
拡大には2通りあります。
1つは、単純な拡大。
もう1つは、関連カテゴリーへの拡大です。

1つめは主にリアルビジネスで見られる店舗など拠点を増やすことを意味します。
この拡大には、拡大できる状態、つまり「コピーが可能な設計」がなされているか、いわゆる「しくみ化」ができているかがカギです。

2つめは、関連するカテゴリーへ横展開できるかどうか。
商品やサービスそのものをコピーするのではなく、本質をコピーするイメージです。
例えば、取り扱う商品が「カレー」だとしたら、「洋食」のカテゴリーへの拡大が可能です。
もちろん、拡大を実行するかどうかはさらに別の判断が必要です。
その一方で、1つめの拡大とは異なり、カテゴリーなどをチェンジすることで、競合との競争回避などにつなぐ余地にもなり得ます。

 

以上、アイデアの精査10個のポイントのうち、前半5つについてご紹介しました。
次回は「⑥継続可能性」以降の5つのポイントについてご紹介します。


バナーをクリックすると㈱レックスアドバイザーズ(KaikeiZine運営会社)のサイトに飛びます

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する


 

著者: 酒井威津善

フィナンシャル・ノート代表

東洋情報システム(現TIS株式会社)にて10年間に渡り、法人向けシステムの企画・設計に従事したのち、不動産証券化業、住宅建設業、人材紹介業、システム開発業、遊技機製造業などで計12年間CFO(財務責任者)を歴任。2016年独立。新しいビジネスモデルの創出支援、設計及びサポートなどを行なう。著書に「儲けのしくみ 50万円からできるビジネスモデル50」「儲けのしくみを誰でもつくれるすごいノート」(自由国民社)、「起業のための儲けの教科書」(ソシム)がある。

■新しいビジネスモデルの発見とヒント
http://financial-note.com/ 
■シェアーズカフェ・オンライン
http://sharescafe.net/author/itsusakai

ページ先頭へ