飲食店にとって金融機関から融資を受けやすくするためには財務体質の強化が重要となります。そこで今回は財務体質を強化するB/S思考について説明します。
財務体質を強化するためにはB/S思考が重要!
前回のコラムでは「金融機関が融資をしたくなる返済が確実に見込める会社」になるために、具体的に押さえてほしい指標として(1)現金および預金、(2)自己資本(3)借入金について説明しました。実は、これらは全てB/S(貸借対照表)に載っている情報なのです。財務戦略とは、「時間軸を使ってお金を増やす」ことですが、言い換えると「時間軸を使ってB/Sをよくすること」と言うことができます。
ただ、世の経営者や税理士はP/L(損益計算書)は意識して確認していますが、残念ながらB/Sをほとんど見ていません。P/Lは、1年間の会社の儲けを表した計算書なので、来年度にはゼロになります。つまり、時間軸の考え方がありません。これに対し、B/Sは、決算日時点の会社の財産・債務の状況を表した計算書であり、会社の創業から決算日時点までの歴史が記載されています。つまり、時間軸があるB/Sをよくしていくことが融資を受けやすい会社になることに繋がるのです。