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2021年版確定申告 株式の配当金って確定申告した方がいいの?

国内株式(投資信託含む)の配当金は、配当金として受け取る際に所得税等が源泉徴収されているため、原則として確定申告は不要です。ですが、場合によっては確定申告することで配当所得にかかっている所得税等が戻ってくることがあります。配当所得がある場合における確定申告をした方が良いかどうかの判定、また確定申告の仕方について解説します。

株の配当金で確定申告した方が良い人

国内株式を保有していることなどで受け取る配当金は、総合課税にするか申告分離課税にするか確定申告不要にするかを選べます。

配当金は所得税が源泉徴収されているので、原則として確定申告は必要ありません。しかし、場合によっては確定申告した方が税金がトクになる可能性もあります。

配当所得=株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当剰余金の分配基金利息(保険相互会社から受ける収益の分配)、投資法人からの金銭の分配または投資信託※および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得

※公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの

配当所得は以下の税率で所得税等が源泉徴収されます。

(1) 上場株式等の配当等の場合…15.315%(他に地方税5%)

(2) 上場株式等以外の配当等の場合…20.42%(地方税なし)

①配当金を総合課税で確定申告

配当所得は、所得税、住民税、復興特別所得税を合わせた税率として20.315%が源泉徴収されています。

所得税率によっては、配当所得の総合課税を選択して配当控除を利用することで納め過ぎた税金が所得から控除されることになります。

配当控除は、剰余金の配当等に係る配当所得×10%+証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得×5%が税額から控除されます。

配当控除を利用した方が良いラインは、源泉所得税20.315%+配当控除10%=30.315%よりも低い税率で税金を納めている課税総所得金額が900万円以下の人となります。

②配当金を申告分離課税で確定申告

上場株式の譲渡損失がある場合、確定申告をし分離課税を選ぶことで、損益通算することができます(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)。損益通算とは、配当所得の利益と譲渡損失とを相殺して、配当所得にかかる税金を減らすことです。

なお、譲渡損と通算後に残った配当所得があれば、その部分に20.315%の所得税が課されることになります。

総合課税と申告分離課税は選択制であり、申告分離課税を選ぶと配当控除は適用されません。

上場株式の譲渡損の額によっては、総合課税を選ぶよりも申告分離課税を選んだ方が税金面ではオトクになるといえます。

なお、大口株主の場合や非上場株式の配当の場合は、申告分離課税は選択できません。

③確定申告しない

上場株式等の利子・配当等は確定申告をしないで源泉徴収だけで済ませる確定申告不要制度を選択できます。

また、源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等は同一口座内の上場株式等の譲渡所得等と損益通算ができ、その口座ごとに確定申告不要制度を選択できます。

①~③について要件を整理すると以下のようになります。

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