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列車走行による騒音で利用価値が著しく低下している土地と認定された事例【相続税/全部取消し】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第17回)

請求人が相続した土地について、列車走行により80デシベル以上の騒音が生じ利用価値が著しく低下しているとして、国税庁ホームページのタックスアンサーに定める10%減額の方法により更正の請求を行った請求人の主張が認められ、原処分の全部が取消されました。

国税不服審判所令和2年6月2日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、相続により取得した土地(本件土地)について、①広大地に該当すること、及び②鉄道騒音により利用価値が著しく低下している宅地に該当することなどを理由に、当該相続に係る相続税の更正の請求をしたところ、原処分庁が、①については認める一方、②については利用価値が著しく低下している宅地に該当しないなどとして更正の請求の一部を認めない減額更正処分をしたことに対し、請求人が、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

請求人は、本件土地について騒音測定(本件測定)をしたところ、列車走行により約80デシベル以上の騒音が生じていることから、国税庁ホームページのタックスアンサー「No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価」[1]に記載された利用価値が著しく低下している宅地に該当するとして、同タックスアンサーに定める10%減額して評価する取扱い(本件取扱い)を適用して、更正の請求を行った。


[1] 次の(イ)から(ニ)までのように、その利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができる。ただし、路線価、固定資産税評価額又は倍率が、利用価値の著しく低下している状況を考慮して付されている場合にはしんしゃくしない。

(イ) 道路より高い位置にある宅地又は低い位置にある宅地で、その付近にある宅地に比べて著しく高低差のあるもの

(ロ) 地盤に甚だしい凹凸のある宅地

(ハ) 震動の甚だしい宅地

(ニ) 上記(イ)から(ハ)までに掲げる宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

2.争点

本件土地は、利用価値が著しく低下している宅地として減額して評価すべきか。

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