消費税の税率引上げ効果を減殺するため設けられた住宅ローン控除の「特定取得」の判定において、控除の対象となる「対価の額」又は「費用の額」とされるのはあくまでその本体部分であり、本体取得に付随する仲介手数料に消費税等が課税されているからという請求人の主張は退けられました。
国税不服審判所平成30年7月5日裁決(国税不服審判所HP)
1.事実関係
本件は、請求人が、居住の用に供する家屋の取得が措置法第41条《住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除》第5項に規定する特定取得に該当するとし、住宅借入金等特別控除を適用して確定申告をしたところ、原処分庁が、当該家屋の取得は特定取得に該当しないなどとして平成27年分の所得税等の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたことから、請求人が原処分の一部の取消しを求めた事案である。
請求人は、平成26年12月18日、E社の仲介を受け、Fから家屋及び敷地(本件住宅)を取得(本件取得)したが、本件取得について、消費税及び地方消費税(消費税等)の課税はなかった。請求人は、同日、E社に対し本件取得の仲介手数料(本件仲介手数料)を別途支払ったが、本件仲介手数料には、8%で計算した消費税等が含まれていた。その後請求人は、平成27年2月8日より同年12月31日まで、本件住宅を居住の用に供していた。
2.争点
本件取得が、措置法第41条第5項に規定する特定取得に該当するか否か。