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【今だから話せる国税のウラ舞台①】 元国税局徴収部次長 中島洋二税理士 「滞納は絶対逃さない国税徴収官」 

税金を滞納したらどうなるのか。甘く見ている納税者も少なくないが、国税当局の徴収は本当に厳しい。滞納者の財産を差押さえということもしばしばだ。その役目を担うのが国税徴収官だが、彼らの活躍があってこそ国の台所も成り立つ。それだけに実は、この国税徴収官、マルサよりも怖い権限があるのだ。(インタビュー=編集長・宮口貴志)

・・・「国税徴収官」の仕事は、滞納している税金を納めてもらうことですが、国税査察官、いわゆるマルサより強力な権限が付与されていますよね。

租税調査研究会 中島洋二主任研究員

中島 国税徴収官は、「徴収職員証票」を示すことで、滞納者の自宅などの捜索・差押さえを行う権限が与えられています。国税徴収法142条の「徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる」がその根拠です。

 

 

・・・TVの時代劇「水戸黄門」の印籠のようですね。

中島 一般の税務職員が行う調査は、国税通則法に定められた質問検査権に基づき、納税者の同意のもと行われます。任意調査と言われており、納税者の協力が必要になります。一方で、納税者の同意なく行われるのが強制捜査ですが、こちらは査察が行う調査です。査察は「マルサ」と言ったほうが馴染みがあると思いますが、裁判所から令状を取り、関係する取引先や銀行などいっせいに捜査します。TVドラマでもよく見るシーンですが、本人に令状を読み上げ、ガバッと乗り込みあの捜査です。警察の捜査にもよく似ています。国税徴収官は、「徴収職員証票」を相手に提示せば、本人の同意や令状がなくとも、強制捜査ができます。現場では、差押さえなどするので、本人の立会いを求めますが、断れば警察などに立会いの協力を求め実施します。

・・・税務署と国税局では、徴収部門の仕事内容も違ってくると思いますが、具体的な違いを教えてください。

中島 基本的には同じです。国税徴収官の仕事は、国税の徴収に関する事務の指導・監督、法令の解釈・適用及び不服申立て・訴訟に関する事務を行います。また、滞納の整理促進を図るための施策を企画・立案するのも徴収部門の仕事です。ただ、国税局と税務署では、対応する案件の規模が違います。

国税局には徴収課があり、そこで税務署の徴収部門を管理・管轄をしています。また、国税局の現業部門として特別整理部門があり、大口の滞納整理や処理困難事案を担当しています。税務署では、ある程度の額までのものをやっています。簡単に言ってしまえば、規模や滞納額によって、国税局なのか税務署なのかが変わってきます。大口の資産家や著名人など、扱いがデリケートな案件についても多くは国税局が担当します。

・・・国税職員便覧を見ていると、徴収部門に「S-1」とかいう部署があるのですが、どのような仕事をしているのですか。

中島 「S」はスペシャルの略。というのも、特別国税徴収官が担当する部門なので、その「特別」の部分をとって、「S」としたのです。昔は、「特一」「特二」とか言っていました。この特別国税徴収官、いわゆる「トッカン」と国税内部では言ってますが、トッカンは現在9人いるので、S-1からS-9まで部門があります。

・・・業務内容って違うんですか?

中島 基本的には、S-1はトッカン部門の総括と管理が一番の仕事になります。それと、租税条約関係がらみの滞納のものとか、著名人、資産家、訴訟がらみのものを担当しています。また免脱事件も担当しています。

S-2は、各グループから捜索に該当するような事案を引っ張ってきて捜索します。S-3は、相続関係の事案をやっていました。今は確認していないので分かりませんが、相続事案が多かったころ、S-3、S-4の2グループで相続事案をやっていました。S-4~S-9は、S-1~S-3以外の案件を、事案ごとに担当しています。

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