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国際郵便による輸出について輸出免税規定の適用が否認された事例【消費税/請求棄却】元国税審判官が解説 公表裁決から学ぶ税務判断のポイント(第20回)

輸出申告時の資産の価格が未確定である郵便物について、輸出証明書等の手続きをしていなかったところ、その郵便物1個当たりの調達価格が20万円を超えていたことから、消費税の輸出免税の規定が適用されないという判断が下されました。

国税不服審判所平成30年6月5日裁決(国税不服審判所HP)

1.事実関係

本件は、審査請求人(請求人)が、国際郵便により輸出した腕時計の譲渡について、輸出取引に係る消費税を免税する旨の規定が適用されるとして消費税等の確定申告を行ったところ、原処分庁から、当該輸出販売の一部について、輸出許可を証する書類の保存がなく、当該規定の適用はないとして、消費税等の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分を受けたため、当該各処分の全部の取消しを求めた事案である。

請求人は、平成13年に、宝石、時計及び貴金属の販売等を目的として設立された法人であり、日本国内で仕入れた中古腕時計(本件対象物品)を、J国所在のG社に輸出販売する取引(本件取引)を行うに際し、複数の腕時計をまとめて梱包し、1個の郵便物として発送した。

請求人は、本件取引に先立ち、G社から、J国における通関手続上、通関する物品の金額が高いと税金が発生し、取引価額に影響が生じる旨の理由による要請を受けて、パッキングリスト(本件納品書)の「price」欄を記載せずに空欄のまま、郵便物に同封した(ただし、宛先国の税関に申告する際に必要な書類には300J国ドルと記載)。G社は、当該郵便物を受け取った後、本件納品書の「price」欄に、受領した腕時計ごとの金額を記載した上で、請求人にファクシミリで送信し、当該金額を請求人に支払った。

なお、請求人は、本件取引について、輸出許可書等の交付を受けていない。また、本件取引において、1個の郵便物にまとめられた本件対象物品の仕入金額の最低金額は44万2420円であった。

2.争点

本件対象物品の輸出取引について消費税法第7条第2項に規定する証明がなされているか否か。

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