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30代、独立3年目の税理士が語る創業エピソードと会計業界の今後【Pision合同会計事務所 濱慎一氏】

今回は五反田にあるPision合同会計事務所の代表税理士、濱慎一氏にインタビューをさせていただきました。独立当時の苦労やペーパーレス化への取り組み、今後のビジョンの他、30代の若手税理士からみた会計業界の魅力についてもお話を伺いました。(取材・撮影:レックアドバイザーズ 村松)

Pision合同会計事務所について

まず、今までのキャリアと事務所について教えてください。

濱慎:もともと一貫教育の学校に通っていたので、大学までエスカレーターでした。それもあってか、高校の卒業式で創立者から「社会に出てバカにされるな、偉くなりなさい」という話があり、それが当時の私にはとても刺さりました。何か資格を取ってから社会に出なければならないと考えた際に身近な人の役に立てる仕事として選んだのが税理士という資格でした。

私には夢があり、資格取得を目指していた当時から独立を考えていました。大手税理士法人を含め9年間事務所での経験を積んで独立をしました。

Pisionという社名の由来は何でしょうか。

濱慎:PisionはPから始まるいくつかの英単語と、ビジョン(Vision)を組み合わせています。

Pはパートナー、プロフェッショナル(専門家)、パッション(情熱)、ポジティブ、プログレッシブ(革新的)、プロポーズ(提案)など。ビジョンには、お客様が描いている未来のビジョンを共有・サポートしていく、そしてこれからの税理士のビジョンを描いていくという強い思いを込めています。

また、検索をした際に他の事務所とかぶらない、独自性のある名前にするという点も意識しました。

「合同会計事務所」とのことですが、どのような体制で運営をされていますか。

濱慎:現在4名の税理士があつまって、コミュニティになっています。メンバーそれぞれが独立した税理士として活動をしているため、税理士登録自体も別々です。私は担当のお客様を持たず、営業のみを行っていて、私以外の3名は一税理士としてお客様の担当をしています。

必ず専門知識と経験が豊富な税理士が担当し、社内で連携をとっている点が特徴で、ITツールを駆使して将来のことまで相談ができる若手税理士集団として、幅広い年齢層・業種の客様のサポートをしています。

創業当時~現在に至るまで

現在創業から2年、お客様は順調に増えていったのでしょうか。

濱慎:畳の事務所を2019年4月にスタートし、2社のお客様からのスタートでした。そこから6月までの3カ月はお客様もなかなか増えませんでした。

当時はお客様を増やそうと、行政書士さんや弁護士さんなど他の士業の方の事務所へ飛び込み営業をしたり、新しく始められた士業の方にメールや電話でコンタクトを取ったり、FAXを一斉送信したり。士業交流会や異業種交流会にも率先して行きました。失うものはないので、とにかく前に進もうとしていましたね。

お客様からスムーズに資料を頂くための仕組み作りも行い、6月頃には今の業務とほぼ同じ流れができあがり、2020年の9月に現在の事務所に移転をしてきました。

ペーパーレス化の徹底で情報共有をスムーズに

ペーパーレス化にも力を入れていると伺いました。

濱慎:当社はクラウド会計しか使っていません。それに伴って100%ペーパーレスです。

営業の際には契約前にこのような事務所の形態についてお客様へご説明しているので、ご契約いただけるお客様は、私たちの取り組みを肯定的に捉えてくださります。

お客様の中には「今まで紙ベースで依頼をしていたけれど、データでやり取りしてくれる税理士を探している。」といったケースもあります。ペーパーレスにすることで、お客様側もコピーを取ったり、ファイリングしたりして税理士と情報を共有する手間が省けます。今後はそういったお客様がより増えるでしょう。

クラウド会計の導入やペーパーレスに取り組まれたきっかけは何でしょうか。

濱慎:先ほどの話にもつながるのですが、ペーパーレスにこだわるようになったきっかけは、もともと2人でスタートしたオフィスが2畳ほどのシェアオフィスだったからです。紙ベースで預かっても置くところがありませんでした。(笑)

きっかけとして物理的な理由もあったのですが、開業当時はクラウド会計を使う人が増え始めてきた時期でした。他の事務所やお客様の話を聞いていると、今後はクラウド会計が主流になると感じ、すぐに導入し、徹底的に研究をしました。

クラウド会計やペーパーレスへの取り組みは書類の保管場所の解決だけでなく、業務の効率化にもつながっています。税理士なので、税務論点を追求するなど、税務のコンサルティングやビジョン実現のサポートができる事務所でありたいと思っています。

ただ実際に業務をやっていると、帳簿を付けたり、レビューをしたり、税理士の業務はとても忙しい。そうなると、お客様の未来を一緒に考えるという時間が取れません。クラウド会計にすることで、こちらの帳簿を付ける、申告書を作成するといった時間が3分の1以下になりました。

効率化によって生まれた時間でビジョン実現のサポートを

濱慎:業務を効率化すれば、より丁寧にお客様とコミュニケーションを取ることができ、その中でお客様のビジョンをしっかり捉えることができれば、さらに的確なコンサルティングが行えます。お客様との話の中で、数字の話はあくまでも一部。それよりも、お客様が今後についてどういうビジョンを描いているか、現在どういうことを考えていらっしゃるのかを汲み取るようにしています。その上で、アドバイスできることがあればお伝えしますし、逆に全く知らない分野であればお客様とのやり取りの中で教えていただいています。

エンジニアやIT系をはじめ、他にもさまざまな業種・業界のお客様がいらっしゃるため、こちらの業界では当たり前であっても、他の業界では知られていないということもあります。我々が多様な業界の情報のインプットとアウトプットを繰り返しているから、お客様に多角的な視点で最新情報をお伝えできているのだと思います。

コロナ禍での取り組みとオンライン対応について

コロナ禍において、お客様との対応など何か状況は変わりましたか。

濱慎:もともとクラウド、ペーパーレスでやっているので、それほど変わりませんでした。もともとZoomで打ち合わせをさせていただくお客様もいましたから、何かを新しく始めたということはなく、今まで対面だったお客様もスムーズにオンラインに移行できました。むしろ、私たちはクラウド化やペーパーレス化を進めていきたかったため、そういった意味では社会の流れがこちらの方向に進んだと感じています。

濱慎:また、コロナ禍において、たくさんの給付金関連の情報が出ていました。それに対して、当社では報酬を取らず、どういった給付金が受けられるのか調べて、資料を準備してお客様に申請していただきました。

帳簿を把握しないと数字が把握できませんし、数字を把握できないとどの給付金が受けられるのか分かりません。しかしクラウド化ができているからこそ、連携をとることができてスピーディでした。

当社が先んじて始めていたオンラインでの面談が、世の中のスタンダードになりつつあるため、今後はさらにその先の仕組みを作れないかと考えています。目前の取り組みとしては、オンラインで分かりやすくご説明ができるよう、お客様との面談前にアジェンダをしっかり作るようにしています。また、画面共有できる資料もこちらであらかじめ準備して、対面で面談しているのと同じ感覚でお話しいただけるようにと意識しています。数字だけの説明をする、必要事項だけ話すのではなくて、お互いのことを理解し合いたい。お客様のパートナーでありたいと思っています。

お互いのことを理解し合う、とのことですが、自分たちのことを知っていただく、という点において意識されていることはありますか。

濱慎:私たちの方針、意識していることははっきりと伝えるようにしています。お客様にとってリスクがあること、法に触れることは専門家として決してしません。お客様は当然専門家ではありませんから、納税意識については指導しているような側面もあります。我々は合法的な節税はもちろん提案しますが「もっと前のところはこうやってくれたのに」と合法ではないことを要求されてもそれに応えることはできません。

そして、そういった合法ではない方法は、会社が発展していくにつれて足を引っ張ることになると思っています。だから私たちは、法にのっとって正しく節税をして納税していただくようサポートします。それが、事業の未来にも繋がるはずです。

これから税理士を目指す人へ、業界の魅力を伝えたい

濱慎:今後の展望としては、10数名ほどの少数精鋭の事務所を作りたいと思っています。この先のメンバーも今年と来年で採用予定が決まっており、実力があり税理士として独立しようとしている方たちです。「これからの税理士のビジョンを描く」というビジョンを共有した上で、それぞれの異なる経験を活かしてやっていきたいです。

これからの税理士、今後の業界についてどのようにとらえていらっしゃいますか。

濱慎:今、税理士試験の受験者が減少しています。税理士は無くなる職業とも言われます。しかし、税理士だからこそできる仕事はたくさんあるのです。例えば、税務申告だけではなく、経理、会計の知識があるから、お客様のバックオフィスを改善していく、といったサポートもできます。

そういった専門的なサポートができるのであれば、税理士という職はこれからも必要とされますし、無くなりません。これから税理士を目指す方、現在勉強中の方も、逆に今がチャンスだと思って飛び込んできてほしいと思っています。

税理士も高齢化が叫ばれていますが、今高齢の経営者の方が代替わりしたら、紙ベースの仕事をペーパーレス化、クラウド化していくことになるでしょう。そういった流れに乗れる会計士、税理士に仕事がくるようになります。長く働くことができる資格ですし、ITを使いこなせる若い方であればむしろチャンスの波に乗れると思っています。

【編集後記】
インタビュー後、さまざまな苦労を経て移転をされてきた事務所の中も拝見しました。書類がたくさんあるいわゆる「会計事務所」のイメージとは異なり、すっきりとしたデスクにソファー、プリンター、床には自動ロボット掃除機というベンチャー企業の隠れ家のような空間に、夢やビジョンの実現に向けた事務所の今後の成長と発展への想像が膨らみました。濱様、ありがとうございました!

Pision合同会計事務所

●設立

2019年4月

●所在地

東京都品川区東五反田3-17-4糟谷ビル3F

●理念

  • ・企業の発展と社会の繁栄、そして世界の平和に貢献するため、その根本となる「人」を大切にします。
  • ・誠実に、真剣に、お客様の発展と幸せをサポートし、「ありがとう」と言っていただける仕事をします。
  • ・社員一人ひとりが自他の幸福と社会貢献の誇りを感じ、活き活きと働ける職場を作ります。

●企業URL

https://pision.jp/

 


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著者: KaikeiZine編集部

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