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証券会社を経て独立した会計士が見つけた仕事の本質とは【マクシブ総合会計事務所 金子太妥志氏】 

今回の実力派会計人は、マクシブ総合会計事務所代表、公認会計士・税理士の金子太妥志氏。監査法人の後に証券会社での企業金融や不動産金融等の経験を経て2008年に独立をしている。超大手企業を相手に積み重ねてきた経験を中小企業の支援にどのように生かしているのか。今回は、金子氏のキャリアや今後のビジョン、社内の仕組みづくりについて話を伺った。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 村松)

「ダイナミックなビジネスをしたい」監査法人から証券会社へ

会計士を目指したきっかけについて教えてください。

金子:たまたま高校の先生が、教え子が会計士になったという話を授業でよくしていて、そういう職業があるのだと知りました。大学付属の高校だったので受験はなく、大学2年生の終わりくらいから専門学校に通い、卒業した年に合格しました。資格を取る段階から、おぼろげですが将来は独立しようと思っていました。最初はトーマツへ就職し、4年半ほど監査をしてから転職しました。転職先は野村證券です。

会計士の方で、証券会社を転職先に選ぶ方はあまり多くないのではと思います。証券会社に入ろうと思った理由は何ですか。

金子:証券会社は、資本市場を相手にしたビジネス。それがとてもダイナミックに感じて、日本で最大手の野村證券で勉強したいと思って転職しました。大きな仕事をしたいと思ったのです。所属したのは上場企業の財務の提案、資金調達、株式発行、社債の発行、企業が成長していくストーリーの中でどうやって資金調達をしていくかサポートする部署。そういった最先端の仕事ができることが面白く、3年ほどいました。

そのあと半年ほどはアメリカに短期留学をしています。大学の先輩に外資系の証券会社で働いている方がいて、そういった仕事をするためにはまず英語ができるようになりたいと思ったからです。留学では英語の習得ももちろんですが、アメリカ人の気質や、逆に日本の良さも感じました。そのあと外資系の2社に行くことになりますが、海外の方とビジネスをする上でこの留学での経験が役に立ちました。

帰国後は不動産のファイナンスに興味を持ち始めて、ゼネラルモーターズの金融子会社へ。不良債権を買って、バリューアップして不動産を売却するという会社でした。最初は財務部門でマネージャーも経験しましたが、内部の部署異動によりファンド等の投資家が不動産を買うときにローン付けを行う部門に移って働きました。案件を取ってくる、弁護士さんを入れ契約書をまとめ上げる、ローンを実行する、そういったいろいろな業務を経験できましたし、とても勉強になりましたね。2006年くらいは景気が良かった時期でチームごと別の証券会社に行くことになり、そちらでも引き続き、ファイナンス付けしてローン債権を束ねてさらに証券化して機関投資家に販売するというような仕事もしました。

ところが、2007年の夏くらいからサブプライムローン問題が起こって、そこからビジネスが停滞してしまったのです。そして2008年の3月に、テレビを見ていたところ、うちの会社が救済のため別の金融機関に買収されるという話が突如放送されました。別の金融機関にそのまま移るという選択肢もありましたし、リーマンショックの直前という不安定な時期でもありましたが、最終的には独立することに決めました。

リーマンショック直前 独立初期の事務所経営

不動産や資金調達を強みとして独立されて、1年目はとても厳しかったと想像できるのですが、いかがでしたか?

金子:独立した当初の半年は、監査の手伝いや知り合いから仕事を貰って、どのようなビジネスモデルでやっていくのかを考える時期でした。その頃は監査法人が破綻しそうな会社の監査から手を引いて、中小の監査法人が受け皿になっていたので、私のところにも上場会社の監査の仕事がきて、2009年の春から数名で担当しました。独立して2年くらいはその仕事をメインにしていましたが、1つの仕事へ依存するのはリスクが高いので、税務の仕事も増やし始めました。しかしはじめは、税務の営業の仕方も分かりません。周りの話を聞いたり、セミナーに出たりして地道に拡げていくしかありません。あとはウェブマーケティングにも力を入れないと、と思ったので、HPを作って少しずつ集客していました。

2015年くらいからは中小企業向けの経理代行を始め、これは現在も力を入れています。昔からある業務ではありますが、お客様の経理周りをまるっと引き受ける、というスタンスです。

ぶしくま君(マクシブ総合会計事務所の公式キャラクター)も作られましたね。

金子:そうですね(笑)。あれは事務所の女性スタッフが考えてくれました。ゆるキャラのようなもので、Twitterでつぶやいています。これもウェブマーケティングの一つです。名前はマクシブを逆さにしました。

マクシブという名前の由来は何ですか。

金子:「Maxiv(マクシブ)」とは、「Maximize Value(価値を最大化する)」という言葉を略した造語です。「お客様の企業価値及び資産価値の最大化を通して、笑顔あふれる社会を実現します。」という企業理念を掲げてスタートし、これがマクシブという名前の由来になっています。最終的な目標は、経営者様の身近な相談相手になること。自分もそうですが、経営者は孤独であると感じます。何かあったときに相談できる相手がいたら心強いはずです。

独立前は大企業を相手に仕事をしていましたが、お客様が中小企業であっても、企業価値を最大化するという目的は共通しています。ただ、軸は一緒ですが伝え方は変わります。お客様の会社の風土まで理解して、そのお客様が理解できるような言葉で話すことが大切です。自分の立場からだけではなく相手の立場に立って考えなさい、というのは事務所内でもよく話しています。

組織作りのポイントは「任せること」

現在10名くらい職員の方がいると伺いました。これからの組織の展望はいかがでしょうか。

金子:急拡大ではなく、少しずつ増やしていくつもりです。我々が付加価値を提供できるお客様の層も増やしていきたい。それに伴って、当面は20名、30名くらいの事務所にしていこうと考えています。

情報発信もここ数年で力を入れていて、スタッフ主導でやっています。

対事務所では、今までは私の方で勉強するテーマを決めて勉強会を開いていたのですが、最近は社内で研修担当を決めて週一回勉強会をしています。未経験で入社する方が多いので、税務・会計の知識や、どういうサービスをしているのか、といったことを一から研修で伝えています。あとは社内のマニュアルもミスが起こらないような仕組み作りをしています。

社内システムの一つとしてはMyKomonを導入していて、今はスケジュール管理や日々の進捗管理や勤怠管理、あとは生産性の管理として毎日日報を出すようになっていて、お客様ごとの時間集計をメインで使っています。まだ使いきれていない部分もありますが、さらに幅広く使って事務所の生産性を上げていきたいと思っています。

対お客様では、今まで情報発信が多くなかったのでTwitterやFacebook、さらにここ2年ほどはブログも活用しています。テーマを決めて、職員が記事を書いています。現在はコロナ禍ですし、サービスの幅を広げていきたいと思っているので、今までの税務や経理代行に加えて補助金や助成金のサポートも今まで以上に行っていきたいです。

事務所を立ち上げた初期からウェブのマーケティングや教育体制の整備に力を入れていらっしゃいます。そうやって仕組みを作っていくときに意識されていることはありますか。

金子:自分だけ突っ走ってもしょうがないという思いがあります。だから、意識しているのは「できるだけスタッフに任せる」ということ。最初は失敗してもいいから、と自分で考えて動いて貰います。組織を作る中で、私がいないと何も回らないという状態では困ります。だからその点ではあえてリーダーシップを発揮しないよう意識しています。

今後は職員がマネージャーとしてチェックするような立場になり、またマニュアル作成に携わる過程で成長してもらおうとしています。そして、やはり経営していくうえで人の問題はどうしても出てくるので、今後の課題はマネジメントできる人をどう育てていくか。あとは個人事務所なので、将来の税理士法人化に向けてどういう人材を採用して、どうやって育てていけばよいのか、といったことを考えています。小規模な事務所なので、新しいことにチャレンジしながら、自分のことだけでなく広い視野で組織を見られる人に育っていってほしいですね。

会計業界に従事する読者の皆さまへメッセージ

金子:会計事務所とは、お客様の会社を深く知り、お客様に合ったサービスを提供する仕事。学ぶことが好きで、素直に人の意見を受け止められる人に向いていると思います。人に自分の考えを伝えられるコミュニケーション力も求められます。あと、一人で動くところもありますが、チームとして動く部分もあるので協調性も必要です。やれる仕事は無限にあるので、単純に仕訳を入れるだけでなく、自分のやりたい分野をどんどん開拓していくと仕事の面白さが増していくと思いますよ。そうやって尽力した結果、お客様からありがとうございますと言われることが一番嬉しいですし、そのために仕事をしていると思えます。

 

【編集後記】

大企業とのダイナミックな業務と中小企業に細やかに寄り添った業務、一見すると大きく異なるように見えますが、「企業価値および資産価値の最大化」という点でどちらも本質は同じであるということを教えていただきました。金子先生、ありがとうございました!

マクシブ総合会計事務所

●設立

2008年6月

●所在地

東京都中央区銀座3-10-9 KEC銀座ビル8階

●理念

お客様の企業価値及び資産価値の最大化を通して、笑顔あふれる社会を実現します。

●企業URL

https://www.tokyo-keiri.com/


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著者: KaikeiZine編集部

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