業績悪化などにより資金繰りが厳しい場合でも消費税や社会保険料の税金の支払いは発生します。そこで今回は税金や社会保険料の分轄納付について説明します。

消費税や社会保険料の滞納には要注意!?

神奈川で焼肉店を3店舗経営しているlさんは、業績が悪化し、金融機関に対して毎月の元金返済を減額するリスケジュールに応じてもらいました。しかしながら、消費税と社会保険料の支払いが厳しく困っていました。

リスケジュール期間中は銀行からの新規融資が受けられなくなるため、資金繰りの管理をしっかりと行えるか否かが会社の生命線になります。リスケジュール中の会社が資金繰りを考える上で気をつけなければならないのが、国税や地方税などの税金と社会保険などの公的機関への支払いです。赤字の会社は基本的に住民税の均等割のみの支払いとなるため法人税は発生しませんが、消費税と社会保険については赤字会社であろうと容赦なく支払いが発生してしまいます。

特に消費税については2019年10月に税率が10%に上がり、その負担が重くなってきているため、納税ができない会社が増えています。税金を延滞してしまうと、預金口座や店舗の保証金などの財産を差し押さえられる可能性があり、かつ、その延滞税についても年9%程と銀行の利息に比べ重いので、その対応については注意が必要です。延滞税や延滞金の一部を減額する換価の猶予の制度がありますので、分轄納税をする際には活用を検討しましょう。