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高度な税務判断が必要なときに頼れる会計事務所のサポーター【租税調査研究会】<PR>

経済活動の複雑化・グローバル化に伴い、税務も高度化しており、判断に悩む税理士は多い。そこで、国税当局の目線・視点から会計事務所にアドバイスをする国税OBによる相談サービスを利用したり、国税OBを顧問として迎えたりしている会計事務所は少なくない。一般社団法人租税調査研究会(代表理事:武田恒男税理士)も、そんな国税OB税理士の会計事務所向けサービス提供団体の一つ。現在、各税目のスペシャリスト50名弱が研究員・主任研究員として在職しているが、今回は審理相談を担当する野末英男氏(主に源泉所得税)、能渡洋一氏(主に消費税、印紙税)に話を伺った。(取材=KaikeiZine編集部、撮影=堅田ひとみ)

写真(左)野末 英男氏 (右)能渡 洋一氏 ともに、一般社団法人租税調査研究会 主任研究員

国税職員としての人生のはじまり

国税職員を目指そうと思ったきっかけを教えていただけますか。

能渡:50年ほど前の話になりますが、高校の先生の勧めで国家公務員採用一般試験(当時:国家公務員初級試験)を受験しました。全寮制の期間も含めて1年3カ月の研修後に配属されました。

今は子どもでも消費税を払いますが、当時の子どもは税に関することなどほとんど知りません。私も含め入庁した217名の中で、税務署がどういった仕事をするのかを分かっていたのは数人ではないでしょうか。商業高校出身者であれば、会計処理をして税金の計算をするのが税務職員だというイメージはあったと思います。ただ、ほとんどの人が研修を受けながら国家公務員や国税職員とはどういうものかを学びます。

野末:私の場合は、大学生のころ就職活動の中で選択肢の一つとして受験しました。国税の具体的な仕事内容は分からないまま受験して合格、入庁しました。

研修を終え、配属先へ

ー国税でのご経験、ご経歴について伺えますか。

能渡:最初に京橋税務署に配属されました。銀座を管轄する京橋税務署の間税部門で4年間。今は消費税になっていますが、当時は間税部門が物品税や石油税、揮発油税、酒税を扱います。直接税ではなく、ものの動きにかかる間接税に関する部署ですね。やってみると、とても面白く感じました。銀座という場所柄、百貨店が多く、輸出物品販売場で免税販売した毎月の物品税申告チェックや開設するときの調査に行ったりもしました。

写真:能渡 洋一氏(一般社団法人租税調査研究会 主任研究員)

ーどの税金科目の担当がよいか、希望は出せるのでしょうか。

能渡:出せないです(笑)。私の場合は、最初の研修の担当教育官が物品税の担当をしていた方でした。実際には試験や適性、能力を見ながら振り分けされます。当時は法人税や所得税に新人が直接配属されるルートがなく、管理部門か、間税部門、資料部門にまずは配属されていました。つまり、直接税を扱う部署に若い人をいきなり配属させるのではなく、ある程度、税務署で経験を積んでから直接税や源泉所得税部門にいくという流れでした。私の場合は間税部門から入り、機構改革や消費税の導入などさまざまな変化の中で多様なセクションに関わりました。

野末:一応配属先の希望は出せますが、希望通りになるケースはあまり無いですね(笑)。私の場合は大学卒業後、国税専門官試験を受けて法人課税部門に行きました。公務員ですのでそれほど激務ではないだろうと思っていたのですが、当時は源泉所得税のシステム変更の時期で、手書きからコンピューターに入力し直さなければならなかったのです。手書きとコンピューターとの二重の入力ですから毎日のように残業で、ちょっと思っていたのと違いました(笑)。

そのあとは能渡さん同様、私も間税部門で消費税導入に携わりました。事業所や納税者の方からの電話も鳴りっぱなしで、当時は対応に追われましたね。そのあとは酒税や、裁判関係の仕事、法人課税部門まで、退職までさまざまな仕事をしました。 

国税での経験

ー国税といえば、一般的には「マルサ」というイメージがあると思います。映画『マルサの女』のようなことは実際あるのでしょうか。

能渡:もちろん誇張はあります(笑)。しかしむしろ、フィクション以上に事実の方が「え、こんなことが?」と驚くようなことも多かったのですね。とはいえ『マルサの女』という映画ができたことで、国税の中にこういうセクションがあると世間一般に周知することができたのは大きかったと思います。ただ、全体の中ではマルサの人員は少ないですけれどね。

野末:『マルサの女』は大変面白い作品でしたが、実際にはもう少し泥臭く、足で稼ぐようなコツコツした仕事も多いとは思います。私は、50歳を過ぎてから今までと全く畑の違う内閣府に出向し、公益法人の認定や監督の仕事をしました。扱う業務も、しきたりもこれまでとは違う中での仕事はとても大変でしたね。

※マルサ:国税庁の地方組織である国税局の査察部や査察官の通称

写真:野末 英男氏(一般社団法人租税調査研究会 主任研究員)

能渡:私は、東京国税局管内は、東京、千葉、神奈川、山梨とあるうち、甲府に一度行っただけで他は東京でした。東京出身だったからかも知れません。揮発油税ですと神奈川や千葉の木更津などコンビナートがあるところへ行きますが、私は最初の配属時に物品税に関わったためか、比較的都内の仕事が多かったですね。

間接税は機構改革で酒税だけを残して解体したのですが、自分はそのタイミングで法人のセクションに入りました。公益法人税の消費税の処理や、国の特別会計の計算などを行いました。そういった団体は都内に多かったので都内にいることが多かったです。最後も神田税務署の特別国税調査官として2年勤めました。

京橋・麹町税務署に二回ずつ配属されましたが、中央署の地域の法人は比較的規模が大きく、歴史もあるところが多いですね。一方、渋谷では新しい法人が多い。60年代やバブル崩壊前後はアパレル産業が渋谷、表参道、原宿で勢いがありましたし、若者がビルを建てて、倒産して逃げる、ということもありました。経営が傾いているかどうかは、税務署では申告書が出なければ分かりません。でも申告書が出てから着手しても、会社はなくなっていたり、社長を捕まえてももうお金は無かったりすることが多かったです。

写真(左)野末 英男氏 (右)能渡 洋一氏 ともに、一般社団法人租税調査研究会 主任研究員

立場は変わっても『適正な課税』という考えは同じ

ー国税を退官され、租税調査研究会の研究員に。

野末:もともと知り合いだった方が多かったのがきっかけです。これまでの経験を活かして今は源泉所得税関係を中心に相談を受けています。他にも本の執筆など、税務職員の時の人脈で声がかかることは多くあります。

能渡:代表理事の武田先生と一緒に働いたことはなかったのですが、知り合いの方から声がかかりました。国税では消費税に関わっていたので、主に消費税、印紙税の相談対応をしています。

ー租税調査研究会と国税との立場、視点の違いはありますか。

能渡:自分の経験をもとに、『税務署はどういう視点で見るか』を会員である会計事務所の方々にアドバイスしますが、適正な課税の取扱いをするという意味では私自身の視点は変わりません。税法で適切な処理は何か、という視点は一貫していますから。

野末:法人税も源泉所得税も、社会通念上の常識の範囲内で考えることが多くあります。交際費なのか、寄付金なのかの線引きなども、常識の範囲内で考えます。そして、国税職員ならではの多様なケースを目にしてきました。

法律は税理士の方々も我々も知っていますが、『その法律を適用するときにどこまでが認められてどこまでが認められないのかを見極める』という経験は、国税職員のほうが積んでいますので、そういった点は違いますね。

会計事務所の税理士と国税職員・国税OBとの違いでいうと、税理士は顧客のあらゆるお困りごとに対応できるよう広い分野の知識が必要ですが、それに比べて国税職員は、法人税や所得税など、専門の分野に特化しています。

写真:能渡 洋一氏(一般社団法人租税調査研究会 主任研究員)

ー租税調査研究会の会員からの相談対応でどんな声をよく聞きますか。

野末:「税務当局から見て、これは課税になりますね」だけではなく「ご質問の源泉ではこの取扱いですが、そうなりますと法人税ではこのような取扱いになりますから気を付けてくださいね」というように、質問への回答だけでなく、より掘り下げて話すようにしています。

「それは気が付かなかった!」という方もいらっしゃいます。先ほど、社会通念にそって課税されると話しましたが、そうはいっても『税務当局はどこまで認めてくれるのだろう?』と皆さま不安に思われていますね。

税務の判断は単純な法解釈だけではできない

ー税務が高度化、複雑化しています。

能渡:消費税は導入から30年ほどが経ちましたが、法令自体が複雑多岐に渡ります。本来は片方が課税売上なら、片方は課税仕入れになる。そういう単純な計算で済むということで導入されましたが、後からさまざまな問題が起こりました。

例えば、居住用の賃貸不動産は建物なので本来は買えば消費税がかかります。しかし法改正によって、仕入れ控除は認めないとか、さまざまな問題が出てきました。つまり「片方は課税売上だけれども、片方は仕入れ控除から外しなさい」となったわけです。このように消費税が難解になってしまったので、会員の会計事務所の方々も判断に困る場面があるようですね。ただ、消費税の分野では我々が回答に困ることはほぼありません。

回答に困ることがあるのは、印紙税の方です。請負と委任契約は民法上、非常に似通っているのですが、この場合は請負なのか委任契約なのかという区分が難しい。契約を取り交わした双方が委任と思っているのか、請負と思っているのか…。どういう意図で契約書が作られたのか、契約書だけを見ても分からないのです。ですから、「このケースでは印紙がいるのか」と契約書だけをもとに質問されても回答が難しい。契約に3社、4社が絡んだり、海外が絡んだりするとさらに複雑になります。

ー近年、契約書の電子化が進んでいます。

能渡:文書課税は、お互いが現実の文書を交付したときにかかるものです。ですから電子契約しても課税にはなりません。例えば、向こうから契約書が送られてきて、こちらの会社で印刷して稟議して決済したとしても、双方が合意して作った契約書とはならないので印紙税は不課税です。今はだんだん減っていますが、FAXで出力した文書も課税文書にはなりません。

消費税導入の時に印紙税廃止論も出ましたが、今後は電子化が進みますし、どうなっていくか分かりませんね。時代によっても税金の取扱いは変わっていきます。

写真:野末 英男氏(一般社団法人租税調査研究会 主任研究員)

当たり前と思わずに、確認してほしい

ーどういった局面、どういった会計事務所に相談サービスを利用していただきたいですか。

野末:現在、コロナ禍でなかなか対面での相談もできません。しかし一方で、税法は複雑化しています。間違ったときに多額の課税が発生してしまうケースもありますから、税理士の先生が一人で判断することにご不安もあるでしょう。ですから、確認をするという意味で、どんどん相談対応サービスを利用していただきたいと思います。

自分一人ですと物事を一方側からしか見られません。裏側から見てみて、それでも間違いがないかどうかを確認することも必要です。当たり前だと思うような質問でも、誤った時の金額が高額な場合などは、セカンドオピニオンのような感覚で最後の確認として租税調査研究会をご活用いただきたいです。

ー相談対応サービスは、質問内容はメールで回答は電話ですね。

野末:相談対応サービスの流れは、最初にメールの文章で質問を送っていただき、原則5営業日以内に電話で回答しています。質問される方も、ご自身で文章を作成する過程で内容が整理できる部分もあります。

しかし、文章だけでなく、その方のご意見も伺わないと、回答する際に「条文のこの部分の解釈が違っている」といったことが分かりません。

電話ですと、こちらの回答に対する重ねての質問にも即座に答えられます。また、質問者がどうしてそう考えたかの背景も詳しく伺うことができます。そのようなやりとりを経て回答した方が、質問される方もさらに深くご理解いただけるかと思います。

ー新型コロナウイルスの影響はありますか。

野末:ありますね。今までですと何か疑問があったときに横にいる職員にすぐに意見を聞けたのが、コロナの影響で在宅勤務になったためすぐに質問ができなくなって租税調査研究会に質問される会員の方もいらっしゃいます。先ほどの話にもあった「社会通念上」というのも、周りに誰かいたらどう思うかすぐに聞けますよね。今はそれができない状況ですから、代わりに相談対応サービスを利用する方もいらっしゃいます。

能渡:我々は相談連絡がきて回答をしますが、会社ごとの細かい背景まで知った上での回答ではありません。あくまでも質問者からの情報をもとにした、一般的な回答になります。ただ、その方が第三者的な目線を加えられるというメリットもあるはずです。長く顧問先の担当をしていると当たり前だと思って見逃していた部分も「確かに、もしかしたらそういう取引をしているかもしれない」と気付けるかもしれません。そうすれば、税理士の先生方がクライアントに再確認すべき項目も明らかになります。

複雑多岐になった税法の中で判断がしづらいところがあれば、租税調査研究会に質問して回答を確認した上で自信を持ってクライアントと協議をしていただきたいと思います。そうやって前もって調べることで、クライアントからも「この先生はしっかり調べてくれている」と信頼を得られるのではないでしょうか。小さなことが命取りにもなりかねませんから、まずは気軽にご相談いただければと思います。

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▼プロフィール▼

プロフィール

一般社団法人租税調査研究会 主任研究員

能渡 洋一(Yoichi NOWATARI)

国税退官後、租税調査研究会に加入。主に消費税、印紙税の相談対応を行う。

消費税部門の統括官の経験、印紙税の数多くの質疑経験を活かして皆さまに還元したいと思います。

▼詳細なプロフィールはこちら

https://zeimusoudan.biz/yoichi_nowatari

プロフィール

一般社団法人租税調査研究会 主任研究員

野末 英男(Hideo NOZUE)

国税退官後、租税調査研究会に加入。主に源泉所得税担当の相談対応を行う。

「素直な心、あふれる熱意、たゆまぬ努力」がモットー。

▼詳細なプロフィールはこちら

https://zeimusoudan.biz/hideo_nozue


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著者: KaikeiZine編集部

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