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【緊急特集】代表者の突然の死。その相続だと会社が危ない?!

※画像はイメージです

―社長が認知症になった場合の正しい対処法を教えてください

万が一の事態になっても社長の意向を反映させる方法として「任意後見」という制度があります。これは社長本人が責任能力のあるしっかりしているうちに、万が一に備えて後見人を指名し、任意後見契約を結ぶことで成立します。
もし、利害関係人から、「任意後見契約を結んだ時点で既に認知症が進んでいた、無効だ」と指摘されたとしても、任意後見契約は、公正証書で結ばなくてはならないため、任意後見契約が後ほど撤回されるリスクはほぼありません。というのも、公証人が本人のその時の正常な意思能力を確認し、内容を読み上げて理解していることを確認した後、公証人として書面に署名しているので、その時点で認知症であったことを後から立証するのは難しく、覆されることはほとんどないと考えられるからです。

―「任意後見」は具体的にどのように活用できるのでしょうか。

例えば、社長は認知症になってしまったので、社長の弟である専務が実務を取り仕切り、会社の実印も管理しているという会社があるとします。しかしそのような状態で会社運営すると、後で社長が認知症だったから契約は無効だと主張される可能性もあり、法的にも危険です。
その場合専務である弟さんが任意後見契約を結んでおけば、社長である兄が認知症になって任意後見の要件を満たす状況になった際に裁判所から審判を仰ぐことで短時間に裁判所から任意後見人に選任されます。任意後見人になると、社長に代わって取引の主体になれるわけです。
現実的に取引の相手側から任意後見人の設定を要望するのは難しいことですが、そういう準備をしておけば、後々契約が無効となるリスクは少なくなります。このケースでも、弟さんは、社長と事前に任意後見契約を結ぶことで経営の手綱を握ることができるでしょう。

M&A Online(2016年4月26日掲載)より転載

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