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【コラム】千葉の国税OBが脱税関与 懲戒処分逃れで税理士資格返上

昔と比べ少なくなったが、国税OB税理士は毎年、全国で数百人~千人規模登録している。それだけいれば、数名の不良OBも出てくるが、今回の千葉県での脱税関与(疑い)事件は、国税OBとして白黒はっきりさせるべきだ。税理士法上の懲戒処分逃れでいち早く税理士資格を返上した疑いも指摘され、社会での国税OB税理士のイメージをかなり悪くさせた。本人たちは今後、退職金、これまで稼いだお金、年金で静かに暮らしていこうと考えているのだろうが、かつては納税者の不正行為を厳しく取り締まってきたものとして、国民に対して責任の取り方を示す番だ。

官報掲載を避けるために資格返上?

マスコミ報道などによると、経営コンサルティング会社「トーマスコンサルティング」(千葉・市原市)と顧問先の約50社が東京国税局の税務調査を受け、2020年までの7年間に計約20億円の所得隠しを指摘されたという。

トーマスコンサルティングは、脱税事件の発覚と元代表者が死去したことから、事業の継続が困難となり、2021年2月26日、千葉地裁より破産手続開始の決定を受けている。

この脱税事件では、トーマスコンサルティングの元社長が指南した所得隠しに関して、税務申告の手続きなどを担っていたのが、「トーマス税理士法人」(千葉・市原市)。所属する税理士3人はいずれも東京国税局OB税理士で、税務調査の開始後に税理士資格を返上している。

調査が始まる前に資格を返上したということは、税理士法上の処分を逃れることができる。

懲戒処分は、国税当局が調査し、財務省が業務停止などの懲戒処分を行う。処分時には、官報などで氏名や不正の概要が公表される。

ちなみに税理士法上の懲戒処分は、税理士法第45条(脱税相談等をした場合の懲戒)及び第46条(一般の懲戒)、同第48条には税理士法人に対する処分について明記されている。

懲戒処分は、「税理士業務の禁止」が一番重く、次いで「税理士業務の停止」、「戒告」と続く。

以下は、各処分内容を簡単にまとめたもの

①税理士業務の禁止処分を受けた者=処分を受けた日から3年を経過する日まで税理士となる資格を有しないこととなり税理士登録が抹消される。

②税理士業務の停止=2年以内の税理士業務の停止。一定期間、税理士をやめることを命ずる処分。2年以内の税理士業務の停止処分を受けた者は、その停止期間中は税理士業務を行うことがでず、税理士登録が抹消される。

③戒告=懲戒処分としては最も軽いもの。本人の将来を戒める旨の申渡しをする処分。戒告処分を受けた者は、税理士業務あるいは税理士の資格について特に制約を受けず、引き続き税理士業務を行うことができる。

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