前編では株式会社LayerXの石黒卓弥氏・後神勇次氏にLayerXで働く上でのやりがいやLayerX インボイスを導入するにあたってのメリット、導入しているお客様からのリアルな声などを伺った。後編では他社請求書クラウドサービスとの違いやこれからの会計業界への期待について伺った。(取材:KaikeiZine編集部)

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すべての経済活動をデジタル化する。会計業界に懸ける思いとは/前編 【株式会社LayerX 石黒卓弥氏・後神勇次氏】

業務上の“摩擦”を減らし、デジタル化によって滑らかに

現在掲げているミッションを踏まえ、貴社全体でこれからの会計業界に期待されていることを教えてください。

石黒:ミッションにある“デジタル化”とは、摩擦を減らすということです。価値が移転するものは、摩擦。言い換えれば手間が多く、形式だけの確認作業が多いようにも思います。例えば経理の現場でも、派遣社員→担当者→係長→課長という順で確認し、そして最後に社長。ここまで5回も確認が入ります。しかし実際には、「課長が見ていたら大丈夫だろう」と部長は見ていなかったりする。こういう摩擦・手間をどんどん減らして、滑らかになっていく世界観を実現したいと考えています。

デスクトップにダウンロードする、アップロードする。これも1つの摩擦です。面倒ですし、もしデスクトップにお客様の請求書が残ってしまったら、昨今のリモートワーク環境におけるセキュリティ上の観点からも摩擦ですよね。これが原因で事故が起きたら、経済活動が止まってしまうのですから。私たちが掲げるデジタル化というミッションは、こういった摩擦を減らそうということです。もちろん「全ての経済活動」ですから、会計領域だけに限りません。わざわざ郵便局や銀行の窓口でお金を預けるのではなくアプリ1つで資産運用するとか他の事業を例に挙げるとこういった事業領域も含まれます。

石黒様個人として、そのミッションやこれからの経済活動に感じられていることを教えてください。

石黒:ビジネスマンとして働いて20年近くになりますが、スプレッドシートなど革新的なソフトウェアがどんどん生まれています。まだまだ新しいアイデアの入る余地はあるかもしれないと思うこともあります。ハンコも1年でこれだけデジタル化が進みました。だから本当に必要なもの、もっと便利なものに、皆さんの意識を寄せていこうと伝えたいです。働く方々の生産性をもっと高められたら、月初の残業が無くなったり、子育て中の人が働きやすくなったりします。人口が減っていく日本にとって、デジタル化は意味の大きいものなのです。

経理実務や会計処理に携わる方々のお声として、月末や月初の入力で残業が多いという話を耳にします。私たちも会計事務所で働く皆さまの知識や経験が社会に有効に活かせるようにソフトウェアプロダクトを通じてご支援していきたいと思っています。

石黒卓弥氏

お客様に迅速で的確なサービスを

貴社と他社サービスとの違いは、導入時間の短さなどがあると思うのですが、他に強みと感じていらっしゃる部分はありますか。

後神:もちろん時間的な早さは強みですが、それを可能にするのは開発力があるからです。お客様の声をしっかり聞いて、それを反映したものを作るエンジニアの力によるものです。営業チームからの声だけではなく、エンジニアが直に聞いて試行錯誤しています。機能要望を検討する際「これは仕方がないね」という会話がほぼありません。本当にベストなのは何かを真摯に追求するチームですし、自社のことながらすごいなと思っています。お客様から「これが欲しかったんだよね」という声を聞けると素直に嬉しいです。早い時でお客様からお話をいただいた翌日に機能改善できていることもあります。こういったスピード感こそ当社の強みですね。

サービスの導入は、現在は営業やご紹介で広がっているのでしょうか。

後神:はい、どちらもあります。会計事務所内でお使いいただくこともありますし、会計事務所が自身のお客様に対してDX支援、IPO支援でLayerX インボイスを導入していただくこともあります。

会計事務所業界のトップ10に入る方々ともポジティブなコミュニケーションを取らせていただいています。当然ですが、影響力のある会社は必ずしも伝統だけでなく新しいものも取り入れていくというマインドがあります。アンテナが高いですし、私どものサービスにもすぐに気付いていただけました。もちろん自社のサービスを広めたいという気持ちはありますが、前提としてLayerX インボイスを導入いただくことで業界全体を良くしていきたいという思いが強いです。業界のトップを走る方々が導入していたら、業界全体の流れをより早く変えられると思っています。当社のサービスが会計業界を盛り上げる力になれたら嬉しいです。

後神勇次氏

デジタル化によって期待できるリスキング

新しいものを導入することに抵抗を感じられる会計事務所もあるかと思います。導入を検討したけれども実際に受注に至らなかったケースや、現在ハードルになっていると感じられていることはありますか。

石黒:会計事務所へ導入する際にハードルとなるのは、新しいものに慣れることが困難なケースですね。慣れれば便利だけれども、慣れるまでは業務フローが変わることに対してやりにくさを感じてしまうケースもあります。

そこで実際にトライアル期間を設けて、専任の担当が無料で付いてツールに慣れていただいています。私たちが業務フローの変更にきちんと伴走できるかどうかがポイントになっていると思います。

いま、契約されているお客様の中で「年間契約したけれども結局使っていない」というケースはありません。これは胸を張れるところだと思っています。契約後は、お客様が困難なくお使いいただけているかどうかも指標の一つとしています。

後神:経理代行がメインの会計事務所や税理士事務所、IPO支援をされていたり、DXのコンサルをされているような公認会計士・税理士の方に、多くご活用いただいています。経理代行をされていると、経理業務をまるっと受けられているので、いかに効率的に業務を行うかが重要になります。その他、顧問先に経理担当がいて、自計化していくご支援をされています。そうすると、1つの事務所で多くの企業の経理業務をご支援されていて、例えば1事務所100社の企業をご支援していると、テナントを100企業分作成します。テナントが100社になると、1列に並んでる100社のテナントから選択する必要があります。テナントを選ぶ際に検索機能があったり、管理ができる管理画面のようなものが欲しい、というような話をいただくことがあります。このあたりは課題として認識し、順次改善をしていきたいと思います。

また、新しいことへの抵抗感とは別に、自分の仕事が奪われると感じられてしまうこともあります。例えば、電子契約サービスによって出社が必要なくなる方もいます。しかしその時間を別の業務に充てて生産性を上げられます。時間の使い方を変えるということですね。

現在、アメリカでも「リスキリング」という言葉がさかんに言われています。専門性があったとしても時代に合わせて新しいスキルを身につけるということです。日本も社会人教育がこれから変わっていくはずですから、今の仕事が無くなるとしてもまた新しいことを学んでいけばいいという風に社会が変化していくと、皆安心できるのではないかと思っています。

 

【編集後記】

取材はオンラインで、実際にデモ動画を見せていただきながら話を伺いました。これならクラウドサービスに抵抗がある方でも簡単に素早く操作できそう!と感じました。LayerX様を筆頭にAIの力を借りて業務効率化が進むことで、今後の日本経済の発展が楽しみです!石黒様、後神様、詳細にお話しいただきありがとうございました!

▶LayerXインボイス紹介動画はこちら ※1分20秒の動画です

https://www.youtube.com/watch?v=3guu2GCkhmw

▶LayerXインボイスについてはこちら

https://www.layerx.jp/invoice

 

株式会社LayerX

●代表取締役・CEO

福島 良典

●設立

2018年08月1日

●所在地(東京本社)

〒103-0004 東京都中央区東日本橋2-7-1 FRONTIER東日本橋7階

●理念

すべての経済活動を、デジタル化する。

●企業URL

https://layerx.co.jp/

 

 

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