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税務調査で14億円の申告もれ…仮想通貨(暗号資産)の税金がシンドイ3つの理由

■「巷でオススメの節税策」は使えそうで使えない

仮想通貨の課税の現状を踏まえ、巷では、節税のノウハウを伝授しているセミナーがあると聞きます。次のような内容が紹介されるようですが、「使える」とは限りません。

  • ●仮想通貨を別の仮想通貨にすればかからない

これはウソです。お伝えした通り、仮想通貨同士の交換は課税されます。手持ちの仮想通貨の交換時の時価と購入時の時価の差額に、所得税・住民税がかかるのです。

  • ●法人化で節税

個人の所得税は所得額に応じて5~45%の税率が適用されます。一方、会社の法人税はほぼ一律の税率です。東京23区内に拠点のある法人なら、国税・地方税あわせた実効税率は35%未満です。課税所得額が1千万円前後なら法人化した方が節税できます。

ただし「税率だけを見たら」の話です。法人化をするだけの価値のある投資は「頻繁に売買をし、安定して多額の利益が出る」に限られます。いったん法人化したら、黒字・赤字に関係なく毎年7万円の法人住民税は払わなくてはなりません。

さらに、法人保有の仮想通貨は、個人にはない課税がされます。「含み益に対する課税」です。個人が保有する仮想通貨は利益を確定しない限り、課税されません。一方、法人の保有する仮想通貨は、期末評価額が購入時よりも高くなると、差益部分に課税されるのです。

この他、法人が事業を行い、かつレンディングも行っているのなら消費税の納税額が増える可能性もあります。

  • ●海外ETFで節税

海外で「仮想通貨ETF(上場投資信託)」が登場するようになりました。「仮想通貨ETFに投資すれば20%前後の税率で済む」というわけです。

ただし、購入するなら日本ではなく海外の証券会社に口座を開設しなくてはなりません。そして、海外口座で購入した金融商品は「譲渡損失を配当所得と相殺」「譲渡損失の繰越控除」ができません。これらの節税策は、日本の証券会社で購入した場合に限られます。

  • ●海外の仮想通貨取引所で売買すればバレない

ここまで来るともはや節税ではなく脱税です。信じたい気持ちは分かりますが、仮想通貨が知られるようになって数年が経過しています。国税当局も相応のノウハウを蓄積しているであろうことを考えると、神話になりつつあると見てよさそうです。

実際、税務調査の対象となったエイダコインは、日本だとビットポイントという取引所でしか扱っていません。この事実から、海外の取引所での動きも押さえている可能性は高そうです。

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