税務行政のデジタル化対応を更に加速させる取組みを国税庁が進めている。2022年1月からe-Taxがこれまで以上に使いやすくなるのだ。パソコンやスマートフォンからマイナンバーカードを使って、所得税申告書の閲覧が可能となり、令和2年分以降の所得税申告書(過去3年分)が閲覧できる予定だ。
国税庁のe-Taxは、インターネットで国税に関する申告や納税、申請・届出などの手続ができるシステム。税務署に行かなくても、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成し、自宅からネットで申告ができるので、税務署が遠距離にある場合などはとても便利だ。とくに確定申告期には24時間システムが稼働しているので、昼夜関係なく申告業務が行える。
さらに医療費控除を受ける場合には、生命保険料控除の証明書などが必要になり、紙の申告書で提出する場合は、証明書などを添付する必要があるが、e-Taxならその記載内容(生命保険会社などの名称、支払金額等)を入力して送信することにより、提出又は提示を省略することができる。
こうした使いようにはよっては便利なe-Taxなのだが、国税庁では2022年1月から更に使いやすさを追求していくとしている。
今回の改修内容の詳細については、①個人向け、②法人向け、③個人・法人向けに分類し、紹介している。
<個人>
2次元バーコード認証等の導入により、マイナンバーカードが更に使いやすくなるとしている。というのも、これまでパソコンでマイナンバーカードを読み取る際にはICカードリーダライタが必要だったが、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンをICカードリーダライタの代替として利用することが可能となるのだ。
具体的には、スマートフォンにインストールした「マイナポータルAP」でパソコンに表示された2次元バーコードを読み込むことで、スマートフォンとパソコンの連携が可能となるとしている。
また、この機能を使って、マイナンバーカードの読み取りに対応していないタブレット端末についても、マイナンバーカードを利用できるようになる。
このほか、パソコン・スマートフォンからマイナンバーカードを使って、所得税申告書の閲覧が可能となる。閲覧サービスの対象は、令和2年分以降の所得税申告書(過去3年分)で、書面提出された所得税申告書もその対象だ。パソコン用及びスマートフォン用のシステムで、閲覧申請書を作成・送信した後、送信先の税務署での処理が完了すると、所得税申告書データ(PDF形式)が申請者のメッセージボックスへ格納される。