世界的な起業家と呼ばれる人たちはもれなく読書家です。
知識こそが発想の源だということを知っているからです。
第42回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、「発想力を高める5冊」です。
個人的なことですが、日ごろ、3日に一度は書店に足を運ぶほど本好きです。
いったい何冊の中からなのかその母数はもはや不明ですが、これは役にたったと思える5冊をご紹介したいと思います。
発想力を高める5冊
発想力とは、「発想のジャンプ力」を意味します。
それには2つことが含まれています。
1つは、どこまで発想を飛ばすことができるのか。
言い換えれば、日ごろ考えてもいない、認識すらしていない範囲と意識を結び合わせることに他なりません。
そして、もう1つができる限り精緻に思考を進めることができるか、です。
この2点のために、日常からできる限り離れたテーマ、そして思考力を引き上げてくれる本が欠かせません。
1.方法序説
すでに幾度も読んだという方もいらっしゃるかと思います。
1冊目は、ルネ・デカルトの「方法序説」です。
哲学者であり科学者でもあるデカルトが、数学を基礎とする自然科学において真理を導くための方法をまとめたものです。出版した3つの論文集の最初に記載されたものという意味からこの名が付けられています。
この書籍には、かの有名な4つの規則が登場します。
- 明らかに真であることのみを前提とすること。
- 難問をできるだけ小さな部分に分割すること。
- 単純なものから順番に解くこと。
- 全体を見直し、何も見落とさなかったと確信すること。
平たく言えば、考える対象は分割して、わかりやすいところからクリアしていく。
複雑なビジネスを考える際に、忘れたくない基礎的とも言える思考の1つです。
2.大岡昇平「俘虜記」
1冊目と同様、こちらも名著中の名著です。
幾度か映画化もされました。
内容はご存じだと思いますので割愛しますが、それ以上にこの本で綴られる「思考の変遷」を描く様があまりにも秀逸です。
戦争、そして捕虜という極限状態に置かれながら、なおその劣悪な外部環境に対して反射的な言動は取らず、さながらフッサールの本質観取のごとく丁寧に思考の流れを追っています。さらに将棋の感想戦のごとくレビューを加えていく様が思考とは何かの本質を教えてくれます。