米国株に投資する人が増えました。そんな中、今、SNSで「AT&Tのスピンオフの確定申告」が話題となっています。スピンオフとは何でしょうか。また、スピンオフには確定申告が必要なのでしょうか。注意点も含めて解説します。

■AT&T社がスピンオフを発表…影響は

今年3月25日、AT&T社はメディア事業のMagallanesをスピンオフし、米国の娯楽番組放送会社と併合させてWarner Bros. Discovery社(以下「WBD社」)とする旨を発表しました。これに伴い、AT&T社の株主には、同社株式1株につき、WBD社の株式0.24株が交付されます。基準日は4月5日ですが、日本の証券会社は「日本時間4月9日午前5時時点の保有者を対象にWBD株を交付する」としています。

  • ●スピンオフとは何か

スピンオフは「会社の特定の事業部門や子会社を分割し、独立させること」です。米国では割と多く、過去にはファイザーやユナイテッドテクノロジーズ、デュポンなどがスピンオフを行いました。eBayのスピンオフで独立したPaypalは今や、決済の一大企業として知られています。

スピンオフには、2つのメリットがあります。1つは、独立性が高まることです。大企業の特定の事業や一部門、親元の会社の指示や命令から逃れられません。しかし、切り離されれば、その分自由に、柔軟な経営を行えます。

もう1つは「保有している価値が変わらない」という株主側のメリットです。通常、会社の一部を分割すると、その分だけ会社の株式の価値は下がります。しかし、スピンオフでは、分離した会社の株式を分離元の会社の株主に交付するので、株式全体の価値は理論上、変わりません。株主自身も損をしないわけです。

  • ●日本人には確定申告が面倒

ただし、デメリットもあります。独立によってシナジー効果が薄れ、経営リスクが高まります。また、スピンオフをしても、実質子会社状態が続くかもしれません。また、株主側にもリスクがあります。「配当が減る可能性がある」そして「税務上の手続きが面倒になるおそれがある」です。

特に、今回のAT&Tのスピンオフは、日本人株主にとって面倒なパターンとなります。今後、運用益が出るたび、確定申告が必要となるからです。