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話題を呼んだ『タックスヘイブン』とは? メッシの脱税から見る

バルセロナの元アルゼンチン代表FW、リオネル・メッシ氏と、同選手の父親であり代理人を務めるホルヘ・メッシ氏に、禁錮1年9ヵ月、罰金370万ユーロ(約4億円)の有罪判決が下ったニュースをご存知だろうか。
メッシ氏と父親のホルヘ・メッシ氏は、2007年から2009年にかけて、とくに同選手の肖像権収入に絡む脱税目的でタックスヘイブン(租税回避地)に会社を設立したことより、両者は420万ユーロ(約5億円)を脱税したとしてスペイン税務当局から告発されていた。

タックスヘイブンって何?

同選手は、2013年6月、租税回避地として知られるパナマに肖像権を扱う新会社を設立したことを明らかにしている。法人税や所得税などの税率が低い、あるいはゼロの地域、「タックスヘイブン」にペーパーカンパニー(事業活動の実態がない会社)を設立して租税を回避したのである。

タックスヘイブンにある、実態のないペーパーカンパニーに支払いという形で資産を移すと、企業から資産が一時的に消えるので、本来支払わなければならない税金から、逃れることができる。

具体的に、どのような国がタックスヘイブンかというと、F1グランプリの開催地でもあるモナコ公国やサンマリノ共和国、英国領のマン島やジャージー島、カリブ海地域のバミューダ諸島、バハマ、バージン諸島、ケイマン諸島、中近東ではドバイ(アラブ首長国連邦)やバーレーンなどが挙げられている。

また、アジア地域の香港やマカオ、シンガポールなども、税率が極めて低いため、事実上タックスヘイブンにあたり、近年では、ミクロネシアなどの地域も注目されている。

タックスヘイブンに会社を設立するのは違法?

結論からいうと、タックスヘイブン自体は違法ではない。金融投資や海外に拠点を置く日本企業や、海外在住の日本人投資家にとってタックスヘイブンは、利用価値の高い節税対策である。税率の低い国や地域に実体のない子会社を設けて、利益を移し、税負担軽減を狙う日本企業も少なくないのも事実だ。
しかし、現実的には情報や会計が不透明なタックスヘイブンの存在が、テロリスト、犯罪組織、武器商人などによる資金洗浄や不正な蓄財を促す点や、各国のリーダーや高額所得者が、自国への納税という道徳的義務を回避しているという点が問題視されてきているのも実情である。

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