人生の約3分の1を占める睡眠。
国籍、性別、年齢など一切隔たりのない、すべての人が対象になる鉄板の需要を持つキーワードです。
【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意、第52回は「睡眠」です。

睡眠に関するビジネスは、大きく2つに分類されます。

1つは、「場所」に関するもの。

もう1つが、近年大きくクローズアップされているスリープテックに代表される「ツール」です。

 

それぞれの説明にあたって、睡眠にまつわる今の背景を見ておきましょう。

睡眠時間が6時間未満の人は4割

厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高く、男性が32.7%、女性が36.2%。

6時間未満の人の割合は、男性 37.5%、女性40.6%。性・年齢階級別では男性の30〜50歳代、女性の0〜50歳代では4割を超えているとのこと。

 

世界的な医療機器メーカーのフィリップス社が毎年3月19日の世界睡眠の日(ワールド・スリープ・デー)に発表する統計調査によると、日本人の睡眠時間は調査した国の中で最も少なく、睡眠に対する満足度も29%と最も低い結果でした。

2021年フィリップス世界睡眠の日グローバル調査

https://www.philips.co.jp/c-e/smartsleep/campaign/world-sleep-day

 

2つの調査からは、改めて睡眠に対する顕在的、潜在的ニーズの強さが見て取ることができます。

「睡眠」✕「場所」

睡眠に関するビジネスには、寝るための「場所」。そして、睡眠の質を上げるための「ツール」がありました。まずは、「場所」についてです。

睡眠に関する場所、つまり自宅以外で眠ることができる場所(有償)にはざっと次のようなところがあります。

個別の用語については説明不要でしょう。

 

この中で近年大きな飛躍を遂げているのが「キャンピングカー」です。

コロナ禍で公共交通機関を使わず、他の人との接触が限られることでその存在感を示しました。

一般社団法人日本RV協会が毎年発行する「キャンピングカー白書」2022年度版によると、キャンピングカーの販売総額は右肩上がりを続け、2021年には635億円もの規模に達しているそうです。

また、2022年3月1日に国土交通省が通達した「自動車の用途等の区分について」(国自整第278号)によって、軽自動車をベースにしたキャンピングカーの規制が緩和されるなど、今後もさらに飛躍する可能性を秘めています。