あらゆる業界の商品やサービスで起きている「シームレス」。既存のビジネスの枠を超え、新たな市場を形成しています。「儲けのしくみ・ビジネスモデル構築の極意」、第57回のテーマは「シームレス」です。

シームレスとは

シームレス(seamless)とは「継ぎ目がない」という意味。
seam(継ぎ目)+ less(を持たない)という単語から形成された言葉です。
元々はIT業界の言葉で、縦割りに機能している部門間をシステムによってプロセスをつなぎ合わせ、業務全体の効率を引き上げることを意味しています。
ここでは業務間ではなく、業界間の継ぎ目がないことを表しています。

例えば、アパレル業界。
数年前から厳しい経営環境が続いています。
一方、スポーツと融合した「スポーツアパレル」は右肩上がりを続け、2021年度時点で5000億円以上の市場規模を形成。なおも拡大しています。
こうした現象が起きる背景には、いわゆる「ながら消費」が存在しています。
一つのことをしながら別のことができる、いわゆる「タイムパフォーマンス」への強い意識が隠れています。
実際、大手時計メーカーのSEIKOが毎年発表する「セイコー時間白書」によると、自分の1時間の価値が高値を更新し続けていることが明らかになっています。

セイコー時間白書/セイコーホールディングス株式会社
https://www.seiko.co.jp/timewhitepaper/2022/detail.html

できるだけ時間を無駄遣いしたくない、有効活用したい。
それは単に時間だけのことにとどまらず、商品やサービスが持つ機能にも求められていることは明らかです。
例えば、上述したスポーツアパレルブランドで展開されている「ヨガウェア」は、ヨガをすることも日常生活も過ごすこともできる機能を合わせ持っています。
文字通り、「ヨガ」と「日常生活」という間の継ぎ目を無くすことに成功しています。