8月半ばから、国税庁のフリをした詐欺メールやスパムが横行しています。よく見ればニセモノだと分かるのですが、人によっては非常に不安や焦りを感じることでしょう。今回は、注意喚起とともに、実際の納付が遅れたときの手続きについてお伝えします。

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自称「国税庁」のスパムが多発

8月半ば、「『税務署からの【未払い税金のお知らせ】』という迷惑メールやSMSが届いた」というつぶやきがTwitterで散見されました。

そして国税庁からも注意喚起のお知らせが出ています。

【参考】不審なショートメッセージやメールにご注意ください(令和4年8月26日更新)

「国税庁」「税金」「滞納」「延滞」という文字を見て怖くなり、うっかり払いそうになるかもしれません。

ですが、冷静に次の3つを意識すれば、「こんなのは絶対にフィッシング詐欺だ」と気付けるはずです。

1. 督促は原則「書面」

今回の文面は「督促」、つまり納税の催促に当たります。このような重要な要件を、メールやSMSで国税庁が通知するはずがありません。通常は郵便、つまり文書でお知らせが届きます。

2.SMSで連絡は来ない

国税庁からのお知らせは、SMSでは絶対に来ません。

3. メールは定型の種類しか来ない

e-taxを使っていると、確かに申告や納付完了に関するお知らせがメールで届きます。

ただし、メールの種類は限定されています。

メール文面には、定型文しか書いてありません。

また、件名には受取人の名前が書いてあります。

納付完了に関するお知らせのメールなら、次のような内容です。

【引用元】「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ(国税庁)

不安になったら、「『税務署からのお知らせ』等のメールの種類」を確認するといいでしょう。

今回話題になっている滞納に関する定型文は、こちらにありません。

なお、どんなメールであれ、詳細は文面に書きません。

メールボックスで確認します。

これ以外にも「漢字がおかしい」「租税に関する文面で『滞納』とは書かない」「『催促』ではなく『督促』と言うはず」「滞納した税目(本税)を書くはず」など、不自然な点が見受けられます。

ただ、まずは、この3つを軸に確認するといいでしょう。