記事のポイント
●投資家のことを知った上でIR活動を行うことが重要
●機関投資家にアプローチする道を開拓することもIRオフィサーの仕事
●自社に機関投資家が投資できないボトルネックを把握する

2022年の株式市場は、米国金利の利上げ、円安、ウクライナ・ロシア戦争や新型コロナウイルス感染症に起因するサプライチェーンの乱れ等の様々な理由により不安定な値動きになっています。

このような株式市場の中で、投資家に対して、投資判断に必要な情報を積極的に発信し、説明する「Investor Relations」(以下IR)の重要性が今まで以上に注目されています。

そして、情報を発信するだけでなく、投資家の考えを社内にフィードバックし、事業成長への道筋を作れるようなIRオフィサーがいるかどうかは、投資家が投資判断の一つにするくらい重要視されています。

本投稿で、私がIRオフィサーとして活動する中で感じた知見や、今も大切に心掛けていることをアウトプットすることで、読者の会社のIR活動にお役立ちできましたら幸いです。

IRオフィサーとなるきっかけ

私のIRオフィサーとしての経験は、2017年12月に株式会社カチタス(東PRM 8919、以下カチタス)でIPOをした時から始まりました。

元々私は公認会計士として大手監査法人に勤務していました。

大手監査法人で勤務する中で、外部コンサルタントとしてIPOを支援するのではなく、社内の一員としてIPOしたいという考えを持ち、IPO準備会社に転職いたしました。

そのような背景から、私は、IPOにはコミットしていたのですが、IRにはコミットしていませんでした。

むしろ当時の私は、「IRに意味はあるのか?」と感じているくらいでした。

それが、多くの投資家とのディスカッション、フィードバック、応援により、今ではIR活動に面白さと充実感、そしてIRの重要さを肌で感じています。

その経験をした、カチタスの株式関連情報は以下の通りです。

カチタスは、上場時の時価総額は約650億円で、上場後初めての決算である2018年3月期の売上高は692億円、営業利益は73億円でした。

その後、上場から5年後の2023年3月期の予算ベースの売上高は1,133億円、営業利益は140億円の予算となっています。

上場から5年で売上高は約1.6倍、営業利益は1.9倍と安定的な成長を実現していますが、時価総額は約4倍と事業成長よりも高い推移をしています。

株価のチャートも、浮き沈みはありますが押並べて右肩上がりのチャートを描けています。

これは、カチタスがIR活動に注力し、会社の成長ストーリーを適切に投資家に伝えていること、また投資家のフィードバックを事業成長に取り入れようとする姿勢が評価された結果だと考えています。

 

「カチタスの株式関連情報(各種指標は2022年11月11日 終値時点)」

上場日 2017年12月12日
時価総額 2,674億
PER(予想ベース) 28.09倍
PBR(実績ベース) 7.26倍
売上高(2023年3月期 予想ベース) 113,376百万円
営業利益(2023年3月期 予想ベース) 14,018百万円

出典:yahoo!ファイナンス

出典:SBI証券